お調子者…は間違い!? 新入学児の「心のトラブル」は4月からリスク急増 親子で向かうべき「場所」とは

お調子者…は間違い!? 新入学児の「心のトラブル」は4月からリスク急増 親子で向かうべき「場所」とは

保育園を巣立ち、小学校に入学した子どもたち。新しい場所・先生・友人・生活に期待に胸膨らませる一方で、その心には本人すら自覚していない負荷がかかっていることがあります。

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今回は、保育士のための経験共有サイト『ホイクタス』の運営者で、元保育園長として多くの子どもたちを見てきた石井大輔さんに、子どもにとっての「小1の壁」についてお聞きしました。

お話をしてくださった方

石井 大輔 さん

(元保育園長・『ホイクタス』プロジェクトリーダー)

■ 小学校入学で子どもに忍び寄る「進学時ストレス」

――石井さんは約20年の保育園長経験があり、現在も現場に赴き多くの子どもたちと関わっているそうですが、子どもにとっての『小1の壁』について、どのようにお考えでしょうか。

石井大輔さん(以下、石井) 子どもを主語にして考えると、僕は『進学時ストレス』という言葉を使っているのですが、保育園を卒園して小学校に入学することで、子どもには大きなストレスがかかります。

それは、単に環境が変わるということだけではなく、保育園に行かなくなり、保育園の先生とも会えなくなり……となって、今までの世界からブツっと切り離されたように感じてしまうのです。

――子どもに『進学時ストレス』が起こっているとすれば、どのような変化が見られるのでしょうか。

石井 例えば、以前より甘えてきたり、イライラしていたりというのもそうですが、「小学校に上がってから、なんとなくお調子者になった」というパターンもよく見られます。

――お調子者のようなかんじなら、「新しい環境でウキウキしているのかな」と思ってスルーしてしまいそうです。

石井 そうですね。でも、進学時ストレスの存在を知っていれば、子どもにちょっとした変化があった時、「もしかしたらこの子には今、ストレスがかかっているのかもしれない」と気づくことができます。

■ 砂時計で説明する「今までのあなた・これからのあなた」

――卒園して小学校に通うようになり、「今までの世界からブツっと切り離された」と感じてしまうとのことですが、親として何をしてあげればいいのでしょうか。

石井 まず、「砂時計」をイメージさせてみるといいでしょう。

自分の人生を振り返った時、落ちていっている砂っていうのは、消えてしまうわけではなく、しっかりと溜まっていきます。

その“溜まっていく砂”は何かというと、保育園での生活や、先生やお友だちとの出会いそのもの。これらの経験一つ一つが、今のあなたを支えている、形作っているんだよと伝えてあげてほしいのです。

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