お調子者…は間違い!? 新入学児の「心のトラブル」は4月からリスク急増 親子で向かうべき「場所」とは

お調子者…は間違い!? 新入学児の「心のトラブル」は4月からリスク急増 親子で向かうべき「場所」とは

■ 学校でも家でもない、第三の場所

石井 学校に行くと、勉強ができないとか、椅子に座ってられないとか、今までにない「できない自分」を感じることもあるでしょう。では、人間は何をもって“優れている”なのか。勉強ができる人もいる、スポーツが得意な人もいる、絵が得意な人もいる、全部苦手だけど心が優しい人がいる。そんな価値観の多様性を知ることも、子どもにとって必要なことです。

知り合いの娘さんの話ですが、小学校とは別に、ボランティアで絵を教えてくれる方のところに通っていたそうです。ある時、彼女は学校でいじめの対象になってしまった。でも、その時彼女は、客観的に「まあ、いじめてるあの子も大変な人だよねー」と考え、次第にいじめの対象でなくなったとか。

これはひとつに、その娘さんには学校以外にも居場所があり、学校以外の人とも繋がっていたからではないでしょうか。

学校だけだと、行き詰まることもあるでしょう。だから、それ以外の居場所、サードプレイス的なものを作っておくといいかと思います。僕はその候補の一つが「保育園」であったらいいなと考えてきました。現実にはなかなか難しいかもしれませんが、子どもが自分より小さな子の相手をしてあげたり、手伝いをして先生にありがとうと言われたり……そんな、子どもにとっての「自分を認めてもらえる場所」は貴重です。それは、保育園ではなく、習い事でも、ボーイスカウトでもいい。そうやって学校や家庭以外の人と繋がると、社会の一員としての自覚も芽生えていきますよ。

■ 子どもを受け止め、安心できる場所を

石井 『小1の壁』という言葉がありますが、小学校入学で起こる変化は、親目線なのか子ども目線なのかで全く違ってきます。新しい場所で子どもは大きなストレスを感じているかもしれません。そんな時は、どうか抱きしめてあげて家庭を安心できる場所にしてください。そして、保育園の前を通るだけでもいいので、過去と今のことを話しながら「お兄ちゃん・お姉ちゃんになったね」と認めてあげてください。

保育園の先生方は、小学校に行った後も子どもたちの幸せを願い、見守っていますよ。

(話:石井大輔、取材:マイナビ子育て編集部)

※画像はイメージです


この記事の監修者石井大輔株式会社dott コミュニティマネージャー・ホイクタスプロジェクトリーダー
20年間保育園経営兼園長として勤務。保育業界の課題を解決すべく未経験無知識のままIT企業である株式会社dottに転職し、保育ノウハウ共有サービス「ホイクタス」を立ち上げる。「保育士1000人数珠繋ぎの旅プロジェクト」という全国の保育関係者や園と直接繋がり、繋げるプロジェクトを実施中。→記事一覧へ

関連記事:

配信元

マイナビ子育て
マイナビ子育て
育児をしている共働き夫婦のためのメディア「マイナビ子育て」。「夫婦一緒に子育て」をコンセプトに、妊娠中から出産・産後・育休・保活・職場復帰、育児と仕事や家事の両立など、この時代ならではの不安や悩みに対して役立つ情報をお届けしています。
育児をしている共働き夫婦のためのメディア「マイナビ子育て」。「夫婦一緒に子育て」をコンセプトに、妊娠中から出産・産後・育休・保活・職場復帰、育児と仕事や家事の両立など、この時代ならではの不安や悩みに対して役立つ情報をお届けしています。