カップル御用達「ラブパーキング」、営業拡大で3年目へ 「警察来たけど何も言われず」70代男女管理人の余裕、弟子入り志願も

カップル御用達「ラブパーキング」、営業拡大で3年目へ 「警察来たけど何も言われず」70代男女管理人の余裕、弟子入り志願も

●70代の男女2人組「夫婦じゃない」「男女の関係でもない」けど「旦那さんには内緒」

そもそも、この2人の関係が気になっていた。夫婦ではないという。

男性は管理人室で寝泊まりしているが、近くには自宅があり、家族もいる。

「これまで不動産、建築関係で働いてきて、本業はいろいろ。今はアルバイト」

女性はずっと主婦で、「この人が主宰する社交ダンスサークルで先生と生徒として知り合ったのよ。踊れるようには見えないでしょ。でも、教え方がうまいと評判なのよ」

これも教室のようなものではなく、自然と人が集まってできたサークルだといい、仲良しのメンバーで旅行するのにアルバイトしているという。

サークルのことは夫に伝えているが、この「ラブP」のことは秘密にしている。

「言ってません。言ったら、変なこと考えさせちゃうでしょ」

「男女の関係ではない」と2人が首を振る。

全国各地で、空き家や空き地が増えて社会問題となっている。もうかっていなくても、趣味で月に3万円を生み、誰かが喜ぶ「ラブP」はすごいのではないか。

素直な感想を記者が伝えたところ、男性は「生活地盤が別にあれば、何だってできますよ。ほとんどの人が生活のために時間を取られているでしょ。私らはもう関係ないから。子育ても終わって、あと何年生きられるかもわからない。最近の若い人は生活に追われて大変だよね。結婚しない人も多いし、親と住んでいれば飯も食えるしね」と返した。

女性は「なんかしているとハリが出て楽しいよ。あなたも年相応に老けちゃダメよ。趣味を持って、年齢よりも若くいなきゃ」。

ラブPにはインスタグラムのアカウントもあったが、すぐに更新をやめた。

「もうやめた。やったら人がもっと来てくれるのかもしれないけど、どうなんだろう」

やりたいことをやっているのだ。

●「10年続けば市民権」ラブPの未来は

「お金がかかるから難しいんだけど、山の上から水を引いてきたいんだ。シャワーがあれば夏場は特に喜ばれるでしょう。誰かカンパしてくれないかな(笑)。

トイレとシャワーがあれば、管理人室を駐車場付きの部屋として2〜3万円で貸せる。ワンルーム駐車場付きのアパートなんて5〜6万円するじゃないですか」

実現できるかはともかく、楽しそうに男性は話す。

「家族は何も言わない。せいぜいラブPは半年しか続かないだろうと思っている。最初はブームだったけど、徐々に浸透してきた。これが10年くらい続けば面白いよね。10年続けば市民権を得られるよ」(男性)

カップルの車が入るラブPの駐車場には屋根がない。きっと夜空もキレイに見えるだろう。

取材が終わると、男性はホウキで落ち葉の掃除を始めた。

2人が80代に差し掛かる頃には、ラブPはどんな形になっているのだろうか。

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「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。
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