5、個人再生を弁護士に依頼したときの費用の相場
ここまでで、弁護士に依頼した場合のイメージはついたでしょうか。
弁護士に依頼すれば、これからの債務整理も心強いはずです。一人ではありません。
親身になって、これからの人生のリセットを応援する味方になってくれるのですから。
そんな味方をつけるためには、どれくらいの費用がかかるのか。
本項では、気になる弁護士費用を中心として、個人再生にかかる費用をご説明します。
(1)弁護士費用
①相談料
弁護士への相談料は、30分あたり5,000円(税別)程度が相場です。
ただ、借金問題については無料で相談を行っている法律事務所も多くあるので、事前に確認の上で無料相談を利用するとよいでしょう。
②着手金
着手金とは、弁護士に個人再生を依頼する際に支払う費用のことで、最終的な結果にかかわらず(仮に個人再生に失敗した場合でも)、基本的には返還されないお金です。
個人再生の着手金は事案によって異なりますが、相場としては20~50万円程度です。
なお、いわゆる住宅ローン特則(住宅資金特別条項)を利用する場合には、着手金がさらに10万円ほど上乗せされることが多いです。
③報酬金
報酬金とは、裁判所で再生計画案を認可され、個人再生手続きに成功したときに支払うお金のことです。
相場としては20万円程度ですが、住宅ローン特則を利用した場合には、さらに5~10万円ほど上乗せされることが多いです。
なお、報酬金はかからない(着手金のみ)事務所も多くあります。
ただし、その場合は着手金が高めに設定されていることもありますので、トータルでいくら必要となるのかを依頼前に確認するようにしましょう。
(2)弁護士費用はこわくない!
結局何十万円もかかりそうな弁護士費用。
借金に追われてそんな大金あるはずない・・・。
そんな風に思っていませんか?
何百万〜何千万円もの借金を軽くできる制度ですから、それを思えば必要経費ではあるでしょう。
でもそんな金はない!
そんなときは、分割払いを相談してみましょう。辛くない分割額で支払いが可能になる可能性があります。
弁護士費用を分割払いできるのかどうかは、法律事務所によります。
法律事務所が分割払いのシステムをとっているか、もしくは「法テラス」(政府が運営している、弁護士費用の立て替えサービスを行う公的な機関)と契約をしていれば、分割払いが可能です。
複数の法律事務所を探し、支払方法について確認してみてください。
債務整理に力を入れている法律事務所であれば、報酬の支払い方を柔軟にしている事務所は多いはずです。
(3)弁護士費用以外の個人再生にかかる費用
①実費
実費としては、必要書類の取得費や郵送料などの通信費がかかります。
通常は数千円程度です。
②裁判所へ納める費用
個人再生を申し立てる際は、どのようなケースでも以下の費用を裁判所に納める必要があります。
1.収入印紙(申立手数料) 10,000円
2.官報公告費用 13,744円
3.郵便切手 3,000円~5,000円程度(目安)
郵便切手については、債権者の数によって金額が異なりますし、裁判所によっても金額や切手の種類の組み合わせが異なります。
弁護士に依頼する場合は弁護士が手配するのが一般的なので、ご自身で確認・準備される必要はありません。
個人再生にかかる費用について、より詳しくは以下の記事をご参照ください。
6、個人再生を依頼する弁護士の選び方
弁護士なら誰でもいいの?誰でもいいなら知り合いが懇意にしている法律事務所に聞いてもらおうかなぁ・・・。
このように弁護士を探す方も少なくありません。
しかし、ご説明してきた個人再生を弁護士に依頼するメリットですが、実はどんな弁護士に依頼しても大きなメリットが受けられるとは限りません。
医師にも専門分野があるように、弁護士にも得意分野がありますので、弁護士を選ぶ際には個人再生を得意としていて、かつ、良い弁護士を探すことが大切です。
そのためには、以下のポイントに注意しましょう。
(1)個人再生の申立て実績が豊富
まず、個人再生の申立て実績が豊富にある弁護士を選ぶことが必須です。
慣れない弁護士に依頼すると、せっかく費用を支払っても結果はご自身で申し立てた場合とあまり変わらないことになるおそれもあります。
経験豊富な弁護士に依頼してこそ、正確で確実な案件処理が期待できますし、ご依頼者の事情に応じた柔軟な解決も可能になります。
弁護士の実績は法律事務所のホームページに掲載されていることもありますし、相談した際に直接聞いてみるのもよいでしょう。
(2)説明が分かりやすい
次に、弁護士の説明がわかりやすいことも重要なポイントです。
説明された内容がわからなければ不安ですし、ご自身にとってベストな解決方法を選択できないおそれもあります。
良い弁護士は、専門的で難解な内容でも一般の方にわかりやすいように説明してくれるものです。
相談の際にも、わからないことがあれば弁護士に遠慮なく質問しましょう。
その回答がわかりにくい内容であれば、もしかすると個人再生に慣れていない弁護士なのかもしれません。
(3)話を聞いてくれる
弁護士に依頼する際には、こちらの話をよく聞いてくれるかどうかも重視しましょう。
いくら弁護士に専門的な知識があるといっても、依頼を受けた案件を適切に処理するにはご依頼者の話をじっくり聞くことが必須です。
なぜなら、重要な事情を聞き漏らして弁護士が勝手に手続きを進めてしまうと、個人再生の手続きにも失敗するおそれがあるからです。
また、ご依頼者にとっても円滑にコミュニケーションが取れなければストレスがたまることでしょう。
相談や打ち合わせの際に、随時「聞きたいことはないですか」「言いたいことはないですか」と確認してくれる弁護士であれば安心です。
(4)実際に相談して比較する
良い弁護士にも様々なタイプの弁護士がいるので、最終的に重要となるのは、あなたと相性が合うかどうかという点です。
ミスマッチが起こると、言いたいことが言えずにストレスがたまったり、最悪の場合は個人再生に失敗してしまうおそれもあります。
そのため、依頼する前には必ず実際に相談して、弁護士の人となりやご自身との相性などを確認するようにしましょう。
また、無料相談を受け付けている法律事務所はたくさんありますので、複数の事務所の無料相談を利用してみて比較した上で、最も相性の合う弁護士を選ぶのがおすすめです。
配信: LEGAL MALL