■「金を返せ」が口癖の母と祖母からの卒業
最初のエピソードは、子育てのタブー「育ててやった分の金を返せ」と言われ続けた女性のお話です。
「母方の祖母に、『文句があるなら今まで育ててやったお金を返』と言われたことが衝撃でした。最初に言われたのは、小学生の頃で、当時私と母は母の実家に住んでいました。
その頃の地方では、いわゆる出戻りが珍しかったらしく、祖母は『みっともないから外に出るな』と母が働きに出るのを禁止するほど。幸い祖父が高給取りでお金には困らない生活でしたが、何かにつけて祖母は『お金を出してやっている』『住まわせてやっている』と言って母と私を意のままにしたがりました。
私たちにかかった生活費や食費をノートに書いておき、機嫌が悪いと私を捕まえて『お前を育てるのに〇百万かかった』『言うことを聞けないなら今すぐ返して出ていけ』と脅されました。
時が経ち、祖父母が亡くなると、遺産のほとんどが母に渡りました。十分すぎる額で、私が遠方の大学に受かった時も、入学金や4年間の生活費をすべてまかなっても余裕がありました。合格したのがいわゆる難関大学だったからか、母は喜んでお金を出してくれました。
しかしいつの間にか、母も祖母のようになっていたのです。自分の思い通りにならないと、母も『誰のお金で進学できたんだ』『文句があるならお前が生まれてから今までかかったお金を返せ』とキレ散らかす始末。『誰のお金』って、それは母でも祖母でもなく、祖父のお金なのに。
祖父はとてもやさしくて、『世の中にはお金で買えないものもたくさんあるんだぞ』というのが口癖。祖父からは、『お金を返せ』なんて一度も言われたことはありません。
現在は就職して経済的に自立しているし、あまりにうるさいので母とは疎遠にしています」(30代・女性)
補足しておくと、大学費用はお母さんが喜んで“自分から”出すと申し出たそうです……。あくまで個人的な意見ですが、「育てた分の金を返せ」は一番言っちゃいけない言葉だと思っています。「生んでくれなんて頼んでいない」と同じくらいどうにもできない話ですから。
■無職の義父から借金の要請。夫の行動に号泣!?
続いては、夫の父親(義父)から「お金を貸してほしい」と電話があったという女性のお話。
「義父は、旦那が高校生の頃に仕事を辞めてから、再就職することなく過ごしてきた人。そのため、『お金がない』という理由から結婚式は挙げられませんでした。私の幼かった頃からの夢が踏みにじられたようで、義父には恨みしかありませんでした。
結婚して1か月が経った頃、義父から私宛に電話がかかってきました。『実はお願いがあって電話したんだけど……』。嫌な予感しかしませんでした。その予感は的中。『急な不幸が続いて香典を包むお金がないんだ。3万でいいから貸してくれないか?』と言われました。私は怒りを隠せないまま『結婚した時に一切お金のやり取りはしないと決めたじゃないですか?』と反論しましたが、『今回だけ』と義父も引きません。『そんなにお金が欲しいなら我々ではなく他をあたってください』と言って電話を切りました。
すぐさま旦那に報告すると、仕事終わりに実家に寄ってきたようで、手には何かの紙を持っていました。『誓約書を書いてもらったから、これでお金のやり取りは一切しなくて済む』『迷惑を掛けてごめんな』と言われ、なんだかホッとして大泣きしてしまいました。その後、旦那のおかげで一切お金の話はしていません」(30代・女性)
長い間無職の義父となると、お金が返ってくる保証もありませんからね。旦那さんがすぐに行動してくれる人でよかったなと思いつつ、結婚式のことは『ただの逆恨みなのでは?』という気がして、なんだか複雑な気持ちになりました……。
(文・イラスト:ママテナ編集部)