「ryuchellがいない」と寂しくなっても…息子にはハッピーな姿だけを見せていたい。【pecoインタビューvol.1】

「ryuchellがいない」と寂しくなっても…息子にはハッピーな姿だけを見せていたい。【pecoインタビューvol.1】

現在、5歳の息子を育てるpecoさん。2016年にパートナーのryuchellさんと結婚し、出産したのは2018年のこと。pecoさんが考える母親像は、自身が育った家庭環境から生まれたものでした。

「ありのまま」が定着した昨今でも根強い「お母さん像」

ーーエッセイ『My Life』では、妊娠を発表したあとに世間からさまざまな声が届いたと書かれていましたが、どんなふうに受け止めましたか?

pecoさん(以下、peco) いろいろありましたね。おもしろいと思ったのが、妊娠中にいちごを食べようと思ってインスタグラムに動画を載せたんです。たしか、包丁でヘタを切って洗って食べたのかな? そうしたら、「いちごは洗う前にヘタを切ったら、栄養が逃げちゃうよ」という声をいただいて、「好きに食べさせてー!」とツッコミを入れてしまいました。

ーー気になって落ち込むことはないんですね。

peco 優しさで言ってくださっているのがわかるので、落ち込むことはないですし、腹が立つこともないし、おもしろくなって「ほっとけー!」という感じです。

ーー服装のことでも言われたことはありますか?

peco 息子が1歳のときに「これから映画を観に行く」というコメントとともにその日のコーデを載せたんです。ミニ丈スカートを履いていたのですが、すると「そんなんじゃ公園に行けないよ」という声が届いて。「いやいや、公園行かへんもん! 映画言うてるやん!」みたいなことはありました。

ーー世間には、「◯◯なときは△△しちゃダメ」という母親像がいまだに根強くあるのかもしれません。

peco あるかもしれませんよね。妊娠報告をしたとき、それをすごく感じました。「おめでとう、じゃあ黒髪にしなきゃね」という声が届いたんです。いまは、私が妊娠した当時よりもそういった価値観は減っていると思いますが、「ありのままでいいよね」という風潮があったとしても、根本には「お母さんってこうビジュアルだよね」というものがありそうです。

「だから出産したんでしょう?」

peco とはいえ、私の中にも「お母さんってこうだよね」という“母親像”はあるんです。それは「黒髪」や「ミニスカNG」というビジュアルに関してではなく、「家族のことを思って動くのが、母親」というもので、それを私は誰かに強いることはないです。あくまでも「私はそうありたい」というときに思い浮かべる母親像なので。

ーーエッセイには、パートナーのryuchellさんとの間にも、<「家族」や「親子」「愛」について、根本的な考え方の違い>(CHAPTER4 My Familyーー大切な家族P177)があったと書かれています。

peco ryuchellは本当に優しすぎるくらい優しい人で、人の弱さも包み込んで寄り添う人。私は「それでも強くおらなあかん」って厳しいタイプ。ryuchellとは、家族の中だったからこそ「私はこう思っている」としっかりきっぱり伝えました。

ーーご自身で、自分に厳しい一面もあると思いますか?

peco どうだろう……厳しいというより、当たり前だと思っています。自分に対して「それができるから、その意識があるから、出産したんでしょう」と。

ーーpecoさんのお母さまにもそういった意識があったかと思いますが、pecoさんがお母さまに対して「子どもを最優先に動いている」と感じた出来事はありますか?

peco 自分が親になるまで気づきもしなかったんですよ。ここ2年ほど、特にryuchellの告白があってから、母といろいろ話したとき、「実は昔、こんなにたいへんなことがあったんだよね」と教えてくれて。

私の両親だって夫婦だからいろんなことがあっただろうに、子ども時代に大きな夫婦喧嘩はほとんど見たことがなかったし、私は最近まで知らずに生きてきた。それで、「私のお母さん、ほんとうにすごいお母さんだったんだな」って気づいたんです。

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