交通事故で顔に傷が残った場合は後遺障害に認定される?基準や事例を踏まえ解説

実際に支払われた慰謝料の事例

交通事故によって後遺障害認定された方は、実際にはどの程度の慰謝料を受け取っているのでしょうか。

後遺障害認定された方に実際に支払われた慰謝料の事例を3つ下記で紹介していきます。

事例①7歳男児の顔面醜状につき、医師面談の上12級14号の認定を獲得

事故の状況

A君は、青色信号に従って横断歩道上を歩行していたところ、信号を無視して走行してきた自動車にはねられてしまいました。A君は、救急搬送された病院で、頭部外傷、顔面挫創及び右下腿打撲の診断を受けました。幸い体の痛みなどの症状は和らぎましたが、A君の顔には痕が残ってしまいました。
傷病名:下顎挫創

ご依頼内容

A君のご両親は、相手方保険会社からA君の顔の痕について後遺障害診断書を書いてくるように言われたことで、今後の手続きなどについて不安に思い、当事務所にご相談に来られました。

ベリーベスト法律事務所の対応とその結果

担当弁護士は、まずはA君に残存してしまった顔の痕について適切な後遺障害等級を受けられるよう、後遺障害診断書作成にあたって、A君の診察に同行し、主治医に対し、痕が残っていることを診断書に記載するよう要請しました。

主治医は当初、A君に残存した痕は「醜状痕とは言えない」、「今後回復する可能性がないとも言えない」などと言っていましたが、担当弁護士から説明を行ったところ、最終的には目で確認できる痕について正確に計測した上、その範囲を後遺障害診断書に記載してくれました。

その後、後遺障害等級認定を行いましたが、後遺障害等級認定の調査を行う損害保険料率算出機構の調査事務所から、A君に残存した顔の痕を実際にみて確認したいので、面接を行いたいとの連絡を受けました。

そこで、担当弁護士が、A君と一緒に同調査事務所に赴き、担当者に対して直接A君に残存した痕の範囲を説明しました。

その結果、A君の顔に残存した痕が、後遺障害12級14号に該当するとの認定を受けることができました。

その後、相手方保険会社との間で、A君が被った損害について賠償請求を行いました。

相手方保険会社は、当初顔の痕によって労働能力が減退することは考えられないなどと主張し、逸失利益の支払いを拒んでいましたが、担当弁護士が関連裁判例を適示するなど粘り強い交渉を続けた結果、最終的には一定の逸失利益の支払いを認めました。

このように後遺障害等級認定手続き及び交渉における担当弁護士の対応の結果、十分な賠償を獲得することができました。

引用元:https://www.koutsujiko.jp/case/p149/

事例②外貌醜状の後遺障害で高額の逸失利益を獲得しました

事故の状況

小学生の男の子であるAさんが道路を横断していたところ、車にはねられ受傷しました。
傷病名:顔面外傷性挫創、外傷性瘢痕

ご依頼内容

Aさんは顔を強く打ったため、特に顔面の怪我がひどく、目が開かないほどの腫れと大きな傷が見られたため、傷跡が残るのではないかとご両親が大変心配されて相談にお見えになりました。

ベリーベスト法律事務所の対応とその結果

Aさんとも直接面談し、傷跡の大きさや赤くはれた様子などを確認しました。

医師からはいずれ目立たなくなる傷であると言われていたため、一時はあきらめていた後遺症の認定については、陳述書の作成や複数の写真、面談等の周到な準備を重ねて12級14号を獲得することができました。

しかし、保険会社からは、小学生の児童であり将来的には傷跡も目立たなくなることを理由に、労働能力喪失の割合や期間については低水準での提案にとどまりました。外貌醜状は、逸失利益が認められにくい後遺障害ですが、粘り強い交渉を重ねた結果、10年間・14%の逸失利益が認められ、慰謝料とも併せ750万円以上の示談金を獲得することができました。

最初は、とても不安に思っていたご両親も納得の結果となりました。

引用元:https://www.koutsujiko.jp/case/p189/

後遺障害が残った場合は弁護士に任せるのがおすすめ

交通事故によって後遺障害が残った場合、後遺障害等級認定の申請について、相手方保険会社に任せる事前認定の方法ではなく、被害者請求の方法を採用し、弁護士に任せるのがおすすめです。

事前認定の方法によって相手方の任意保険会社に後遺障害申請を任せた場合、資料が足らず、納得できる結果にならないだけではなく、慰謝料など賠償金が想定以上に減額する可能性もあるでしょう。

後遺障害が残った場合、弁護士に任せることをおすすめする理由を以下の2つの内容にまとめました。

適切な後遺障害等級を獲得可能
「弁護士基準」にて賠償金を計算できる
被害者請求の代理が任せられる

それぞれ解説します。

適切な後遺障害等級を獲得可能

交通事故によって顔の傷が残った場合、残存した顔の傷に関連する損害を請求するためには、後遺障害等級の認定を獲得する必要があります。

上述のとおり、顔の傷一つをとっても、後遺障害認定の基準に複雑で分かりにくい部分も多く、後遺障害申請の手順も単純ではありません。

後遺障害等級認定の申請を保険会社に一任する事前認定の場合、有利な資料を集めることができず、本来認定されるべき後遺障害等級よりも低い等級の獲得、さらに後遺障害の非該当になることもあるでしょう。

後遺障害に強い弁護士に任せることにより、被害者側に有利に働く資料を集めることができるなど、被害者が適切な後遺障害等級を獲得できる可能性が高まります。

交通事故に遭い顔などに怪我を負い通院や入院をされる被害者の方も多いですし、被害者本人で被害者請求をする場合、精神的にも身体的にも負担を強いられています。

後遺障害等級によって慰謝料を含めた賠償金は大きく変化するため、“しょうがない”で済ませるのは問題です。

妥当な賠償金を請求するためにも、後遺障害が残った場合は、被害者請求の手続を弁護士に依頼しましょう。

「弁護士基準」にて賠償金を計算できる

前述のとおり、後遺障害等級は1級から14級まであり、等級によって後遺症慰謝料や逸失利益の金額が変わります。

後遺症慰謝料、後遺障害逸失利益など、後遺障害における等級によって変わることはお伝えしていますが、それら金額を決めるためには計算方法や基準表が3つあることをお伝えしました。

自賠責基準
任意保険会社基準
弁護士基準

自賠責基準は自賠責保険が規定する基準、任意保険会社基準は保険会社が独自に設定している基準、そして弁護士基準は裁判で使用されている基準です。弁護士基準は、自賠責基準と任意保険会社基準と比較しても大幅に慰謝料や賠償金が上昇します。

弁護士基準を保険会社に採用させる場合、基本的に弁護士に依頼する必要があります。

適切な後遺障害等級の認定だけではなく、適切な慰謝料や逸失利益を得るためには弁護士への相談が必至と思われます。

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