「黄色い下痢」を催す原因はご存知ですか?考えられる病気・対処法も医師が解説!

「黄色い下痢」を催す原因はご存知ですか?考えられる病気・対処法も医師が解説!

「黄色い下痢」の特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「黄色い下痢」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

胃腸炎

胃腸炎は、胃や腸の炎症を伴う病気です。細菌やウイルス、食品の汚染などが原因で発症します。症状には下痢や嘔吐、腹痛、発熱などがあります。細菌性の胃腸炎の場合、食中毒を引き起こすこともあり、特定の食品や水の摂取が原因となることが多いです。
対処法としては、十分な休息や経口補水液などによる水分補給が重要です。治療は症状に応じた対症療法が中心となりますが、細菌性胃腸炎の場合は抗生物質が使用されることもあります。
主な診療科は、消化器内科や小児科(子どもの場合)です。症状が改善しない場合や脱水症状が見られる場合は、速やかに受診してください。また、高齢者は嘔吐物が気管に入ることで肺炎を起こすことがあるため、体調の変化に注意しましょう。

ウイルス性胃腸炎

ウイルス性胃腸炎は、ノロウイルスやロタウイルスなどが原因で発生し、毎年秋から冬にかけて流行します。主な症状は、急激な下痢や嘔吐です。感染経路は病原体が付着した手指で口に触れることによって起こる接触感染や、汚染された食品を摂取することによる経口感染があります。
特別な治療法はないため、水分補給を中心とした自宅での対処が基本です。ただし、症状が重い場合は点滴による水分補給が必要になることもあります。病院へ行くべき目安としては、持続する嘔吐や下痢、脱水症状の兆候(口の乾燥や渇き・尿量の減少・めまいなど)が見られる場合などです。
主な診療科は、消化器内科です。乳幼児の場合は、小児科を受診しましょう。特に、乳幼児や高齢の方は下痢などによる脱水症状を起こすことがあるため、早めに受診することが重要です。

ロタウイルス

ロタウイルスは、乳幼児や小児の急性重症胃腸炎の主な原因となるウイルスです。約10~100個のロタウイルスが口から入ることで感染し、手や物を介して広がります。
感染すると、2~4日の潜伏期間後、水のような下痢や嘔吐が繰り返し起こるのが特徴です。重症化すると、脱水症状を引き起こすことがあります。
対処法としては、十分な水分補給が重要です。
受診すべき診療科は、小児科です。成人の場合は、消化器内科や内科を受診してください。
病院へ行くべき目安としては、下痢や嘔吐が持続し水分の補給が難しい場合や発熱がある場合などです。これらの症状が見られるときは、早めに医療機関を受診しましょう。

ノロウイルス

ノロウイルスは、冬季に流行することが多いウイルス性胃腸炎の一種です。激しい嘔吐と下痢、腹痛などが主な症状です。ノロウイルスは、手指や食べ物を介して経口で感染します。子どもや高齢の方などは、重症化することもあります。
対処法としては主に対症療法が中心であり、特に重要なのは水分と電解質の補給です。脱水症状(口の渇き、尿量の減少など)には特に注意してください。
病院へ行くべき目安は、激しい嘔吐や下痢が続き自宅での水分補給が難しい場合や、脱水症状が見られる場合です。
主な診療科は消化器内科、子どもの場合は小児科です。症状が長引く場合は、早めに受診しましょう。

乳幼児嘔吐下痢症

乳幼児嘔吐下痢症とは、いわゆるお腹の風邪のこと。原因としては、ロタウイルスやノロウイルス、アデノウイルスなどが考えられます。ウイルスは、便や嘔吐物、または鼻水や咳から感染します。感染すると、激しい嘔吐や水のような下痢、発熱などが見られます。
対処法として重要なのは、適切な水分補給です。嘔吐がある場合は症状が落ち着いてから、経口補水液を少しずつ与えましょう。
病院へ行くべき目安は、ぐったりしていたり1日に何回も嘔吐や下痢を繰り返したりしている場合、肌や口の乾燥・尿が出ない場合などです。生後3ヶ月未満で38℃以上の発熱がある場合もすぐに受診しましょう。受診すべき診療科は、基本的に小児科です。脱水症状の兆候などが見られる場合は、迅速な医療機関の受診が重要です。

「黄色い下痢」の正しい対処法は?

そもそも下痢になったとき市販薬を飲んでも良いのか、迷う方も多いでしょう。食中毒や細菌感染で起きた症状にともなう下痢の場合などは、安易に腸の動きを抑制する薬を飲むべきではないケースもあります。病原体や毒素を体外に排出することが望ましいからです。ただし、それ以外の場合は適切に使用することで体力の消耗や脱水を防いでくれます。
たとえば、市販薬の「ロペラミド」や漢方薬の「五苓散」などが症状をやわらげることがあります。ただし、使用前は下痢の原因を考慮することが重要です。高熱や血便が伴う場合や脱水症状が見られる場合は市販薬を避け、医師の診察を受けましょう。
日常生活では、十分な水分補給と栄養バランスの取れた食事を心掛け、喫煙やストレスの軽減に努めてください。また、安静にして体力の回復に専念することが必要です。
もし自宅での応急処置をしても症状が改善しない場合や、持続的な腹痛がある場合は速やかに医療機関を受診しましょう。

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