風邪のときも、基本的には、普段どおりの授乳スタイルでOK!
「胃腸炎のときは、ミルクを薄めなきゃ!って言われたんですけど・・・どれくらい薄めたらいいんでしょうか?(0歳)」
病気のときの授乳のポイントも、気になりますよね。とくに生後6カ月を過ぎると、母体からもらった抗体(ウイルスとたたかうための免疫物質)が少なくなってくるため、胃腸炎などのウイルス感染症(いわゆる風邪)にかかりやすくなります。
たとえば胃腸炎のときは、授乳の量を減らしたり、ミルクを薄めたりするように以前は推奨されていました。ただし現在は、通常どおりの量やミルクの濃さで授乳して問題ないとされています。
たしかに一度吐いた直後は、また飲んでも吐いてしまいやすいです。よって吐いてから約1〜2時間は何も飲まず、おなかを休めることが大事です。ただしその後は、飲めるときに少しでも、栄養を体に入れることが大切です。吐きそうで心配という場合は、1回あたりの授乳の時間を短くしたり、ミルクの1回量を減らしたりするのはいいでしょう。
以前の「ミルクを薄くする」というのは、ミルクの浸透圧によって下痢がひどくなるかもしれない、という懸念があったからかもしれません。しかしミルクが濃いから下痢がひどくなる、というよりは、そもそも胃腸炎のウイルスのせいで下痢が出る、というのが医学的な考え方です。栄養の観点からも、通常どおりの濃さで調乳することが、現在は推奨されています(※6)。
ワクチンは、健康のためのプレゼント。同時接種も問題なし!
「こんなにいっぱい注射打ってかわいそうねぇって言われて・・・、前はこんなにワクチンの種類が無かったですか?(1歳)」
風邪というと、ワクチン(予防接種)についても、ここ数十年で子どもが受けるワクチンの種類がかなり増えました。以前は定期接種(無料で接種できるワクチン)ではなかったヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンなども、定期接種となりました。結果として多くの子どもが接種でき、子どもの髄膜炎や脳炎など、命にかかわる病気が大幅に減少しました。
生後2カ月から一度に3本や4本も注射を打たれる姿は、痛々しいと思われるかもしれません。でも病気にかかったり、重大な合併症を起こしたりしないためのプレゼントとして、みんなで前向きに応援してあげたいものです。なお同時接種によって、それぞれのワクチンの副反応が増えたり、逆に効果が薄れたりすることはない、と日本小児科学会も発表しています(※7)。なお海外ではさらに多くのワクチンが定期接種として登録され、接種した赤ちゃんが重大な病気から守られています(※8)。
配信: たまひよONLINE