年金だけで老後を暮らすのは無理? 年収400万円の会社員で“おひとりさま”なので、なんとかなりそうな気がしています

自分の資産と正確な年金受給額を把握

ではどのように「工夫」すればいいのでしょうか。

 

まずは、自分の今の資産(不動産や預貯金などの金融資産)と正確な年金受給額を把握することから始めましょう。健康状態を維持する時も、まず検査をして問題点をあぶりだし、そこから解決策を探ります。お金との付き合いかたも同じです。

 

もしかしたら、民間の生命保険会社で個人年金に加入しているかもしれません。それ以外にも、長く勤めている会社で「企業年金」を別途積み立てていたかもしれません。これは公的年金の上乗せになりますから余裕が出ますね。

 

逆に、マイナスの資産は本当にないのか、確認が必要です。親御さまが投資用に不動産を購入されている、ということはないでしょうか? 

 

かつてご相談者から、何年も前に他界されたお父さまがお持ちの不動産が見つかって、その後処理が大変だったという話を聞いたことがあります。そういった手続きは思いのほか時間も費用もかかってしまうものですから、早めに確認しておきましょう。

 

お金との付き合い方のスタンスを変える

現状の洗い出しが終わったら、老後は「収入は増えない」という前提のもとで、ストレスなく支出を少しずつ絞っていく方向で取り組んでいくのがいいでしょう。支出を抑えてもストレスにならないものがあれば削っていきましょう。

 

住宅については、負担の少ない高齢者向け住宅を見ておかれるのもいいかもしれません。こちらも介護が必要なのか自立なのか、また地域によって、賃料もさまざまですが、お住まいの行政窓口に問い合わせるのがより確実です。

 

定年を迎えてから、このような作業をやっていくと、どうしても現役時代の大ざっぱなお金の使い方と比べて悲壮感が増してしまうかもしれません。シニア時代のお金との付き合い方に慣れるのには時間がかかると思っておきましょう。

 

正確なお金の現状の把握と、やや節約モードのお金の使い方に慣れる、この2つができれば、こちらのご質問「年金だけで老後の生活は大丈夫?」の答えは「大丈夫と考えていいでしょう」といえるでしょう。

 

出典

厚生労働省 公的年金シミュレーター

 

執筆者:柴沼直美

CFP(R)認定者

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