「足の裏の皮がむけるけどかゆくない」のは「水虫」が原因?医師が徹底解説!

「足の裏の皮がむけるけどかゆくない」のは「水虫」が原因?医師が徹底解説!

足の裏の皮がむけるけどかゆくない時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

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監修医師:
福永 有希(鎌倉かまりんヒフクリニック)

浜松医科大学卒業。横浜市立大学附属病院皮膚科入局後、おもに神奈川県内の総合病院や皮膚科へ勤務。2018年、神奈川県鎌倉市に「鎌倉かまりんヒフクリニック」開院。皮膚の発信する「かまってちょうだい!」というアラートに耳を傾けるべく、日々の診療にあたっている。日本皮膚科学会皮膚科専門医。日本美容皮膚科学会、日本アレルギー学会、神奈川県皮膚科医会、日本痤瘡研究会の各会員。

「足の裏の皮がむけるけどかゆくない」原因と対処法

気づくと足の裏の皮がむけていたけど、かゆくはないという経験はあるのではないでしょうか?ここでは、いくつかの考えられる原因と自宅でもすぐにできる対処法、病院に行くべき症状などについて解説していきます。

足の裏の皮がむけるけどかゆくない原因と対処法

足の裏の皮がむけるけどかゆくない症状は、皮膚の最も外側の層(=角質層)が剥離することによって生じます。暑い日や湿度の高いとき、摩擦が加わったときなどに悪化することがあります。
考えられる主な病気は、水虫です。水虫は白癬菌による感染症であり、足指の間の皮膚が白くふやけて剝がれたりかかとの皮膚が硬くなって亀裂を引き起こしたりします。水虫はかゆくなるイメージがありますが、実際にはかゆみを伴わないケースがほとんどです。
症状が現れたときは足を清潔に保ち、通気性の良い靴や靴下を選ぶことが大切です。
足の水虫は、市販されている水虫薬でも治すことが可能です。ただし、水虫とよく似た皮膚疾患との鑑別をするためにも、皮膚科を受診し診断を確かめる必要があるでしょう。爪にも水虫が発症している場合には、内服薬が処方されることもあります。緊急性はありませんが、他の部位や他の人にも感染しますし、水虫の傷から細菌感染を起こすこともありますので、速やかに受診することをおすすめします。

お風呂上がりに足の裏の皮がむけるけどかゆくない原因と対処法

お風呂上りに足の皮がむけるけどかゆくない症状は、主に長時間水浸しになることによって角質層が柔らかくなり、皮脂が減少、その後乾燥するために起こります。皮膚のバリア機能が低下するため、注意が必要です。
すぐにできる対処法は、お風呂で皮膚を擦らないこと、お風呂上りには足を優しく拭き、クリームなどでしっかりと保湿することです。
症状が改善しない場合は水虫などの病気も考えられるので、皮膚科を受診し、医師より適切なアドバイスを受けてください。受診時は、入浴時間や使用しているスキンケア製品について伝えると良いでしょう。

冬になると足の裏の皮がむけるけどかゆくない原因と対処法

冬になると足の裏の皮がむけるけどかゆくない状態は、低い湿度と室内の暖房による過度な乾燥から引き起こされることが多いです。
症状を軽減するためには、足を清潔に保ちクリームでしっかりと保湿し水分を肌に閉じ込めることが重要です。室内の湿度を適度に調整することも効果があります。
考えられる主な病気は、角化症です。角化症は皮膚の角質層が厚く硬くなる疾患ですが、足の裏の繰り返し圧力が加わる部分で角質層が厚くなり、冬場の乾燥を伴って皮膚が硬くなります。悪化するとひび割れることもありますし、症状が続くと痛くなったり細菌感染を起こしたりするリスクも高まります。水虫を合併していることもありますので、皮膚科の受診をおすすめします。
受診の際は、日常の足の手入れ方法について伝えると良いでしょう。

夏になると足の裏の皮がむけるけどかゆくない原因と対処法

夏に足の裏の皮がむけるけどかゆくない症状は、高温多湿に加えて汗や摩擦が原因で起こることが多いです。特に長時間の歩行や運動後に足の裏が蒸れて、皮膚が白くふやけてむけることがあります。
対処法は、足を清潔にしたうえで保湿剤を用いて肌のバリア機能を整えることです。蒸れないように靴下をこまめに取り替えることや、通気性の良い靴を選ぶこともポイントになります。
また、夏は水虫になりやすい季節です。水虫は、カビの一種である白癬菌が皮膚の角質層に寄生する感染症です。高温多湿の環境で増えやすく、主に足を介してうつります。足のふれる床やスリッパなどに白癬菌が潜んでいるので、夏場に公共のプールやシャワールームを利用する際は、帰り際に足の裏を消毒したり、帰宅してから足を洗ったりするなど工夫すると良いでしょう。
夏は高温多湿の環境で、細菌感染症の点状角質融解症や、白癬菌以外にもカンジダというカビによる皮膚感染症も発症しやすくなります。点状角質融解症では皮膚の常在菌などが増殖して、ふやけた皮膚にポツポツと小さな穴が空いたような状態になり悪臭を伴うこともあります。かゆみを伴わなくても、足の皮がふやけたりむけたりするような症状が続く場合は、皮膚科の受診をおすすめします。

すぐに病院へ行くべき「足の裏の皮がむけるけどかゆくない」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

繰り返す症状や急な悪化が見られる場合は、皮膚科へ

足の裏の皮がむけるけどかゆくない症状で、皮のむける部分が広範囲に及ぶときや、出血やひび割れ・赤み・腫れ・痛みなどがあるときは、特に注意が必要です。ただの乾燥や擦れ以上の問題を抱えている可能性があります。
保湿剤による肌のお手入れ程度で改善しない場合や急速に範囲が拡大する場合、まずは早めに皮膚科を受診してください。全身に及ぶ検査や治療を要することもあります。
受診する際は、いつから症状が始まったのか、症状の変化、既往歴などを医師に伝えましょう。

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