「足の裏の皮がむけるけどかゆくない」のは「水虫」が原因?医師が徹底解説!

「足の裏の皮がむけるけどかゆくない」のは「水虫」が原因?医師が徹底解説!

「足の裏の皮がむけるけどかゆくない」症状の特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「足の裏の皮がむけるけどかゆくない」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

水虫

水虫は、足に見られる一般的な真菌感染症です。水虫は、白癬菌という種類の真菌(カビ)が皮膚の角質層に寄生することによって発症します。白癬菌は高温多湿の環境を好み、皮膚角質層のケラチンというタンパク質を栄養源にして増えます。床やスリッパなどについた白癬菌が足に付着しただけでは水虫になりませんが、角質層の中に入り込んで増殖することによって水虫になります。かゆくなることもありますが、多くはかゆみを伴わないため、水虫を発症したことに気づかずに白癬菌をまき散らしてしまう場合があります。
予防としては、足を清潔に保持し、保湿ケアをして肌のバリア機能を高める一方で、過度な湿潤をさけること、公共の場所で靴を脱いだ場合には帰宅時に足を消毒し洗浄することなどが重要です。また、家庭内での感染拡大を防ぐために足の触れるバスマットやタオル、スリッパなどの共有は避け、室内ではマイソックス、マイスリッパを着用すると良いでしょう。
治療法は、抗真菌薬というカビを殺す塗り薬が第一選択です。一般的な水虫であれば、数週間程度で見た目の症状は軽快します。ただし、自覚症状がある部位だけでなく、両足の指の間から足裏全体にかけて広めに塗ることと、皮がめくれなくなってからも最低1ヶ月以上毎日継続して塗ることが重要です。
病院へ行くべき目安としては、症状が改善しなかったり、急激に悪化したりする場合です。また、細菌感染の兆候(赤み・熱感・腫れなど)が見られる場合も速やかに皮膚科を受診してください。

汗疱(かんぽう)

汗疱(かんぽう)は、手のひらや足の裏に小さな水ぶくれができる皮膚症状です。原因不明のことも多いのですが、長時間の手足の使用、過剰な発汗、全身性接触皮膚炎(主に金属アレルギー)によって引き起こされることがあります。
そのため、手足の摩擦を避け、汗をこまめに洗い流したり拭いたりする工夫が必要です。また、食物に含まれるニッケルなどの金属は、体内に吸収されたのち汗にふくまれて排出されるため、食事のバランスにも注意が必要です。チョコ・ナッツ類などニッケル含有率の高い食品を減らすと症状が緩和する場合があります。再発を防ぐために、発汗やストレスの根本的な原因となることを軽減する方法を検討してみることも大切です。
症状が軽いときは自然に回復することもあるため、かゆみや痛みがなく軽い症状の場合は患部を清潔に保ち、保湿剤でお肌を整えてみましょう。症状がなかなか改善しない場合や、かゆみ・痛み・腫れなどを伴う場合は、ステロイド剤や抗生剤などの治療が必要なため、皮膚科を受診しましょう。
水ぶくれの原因が水虫など他の皮膚疾患の可能性もあるため、正確な診断を受けることが重要です。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、足の裏や手のひらに膿を含んだ小さな水ぶくれができる炎症性の皮膚疾患です。原因は完全に解明されていませんが、金属アレルギー、扁桃腺炎などの慢性感染症、喫煙などによる免疫系の異常反応が関与していると考えられています。
ストレスは掌蹠膿疱症の症状を悪化させる可能性があるため、ストレス対処の工夫が必要です。また、日常生活で手足の適度な保湿・保護対策をすることも大切です。治療はステロイドやビタミンD3の外用、難治な場合には紫外線療法や内服治療、重症の場合には分子標的薬剤を使うこともあります。
水虫などと勘違いされていることが多いので注意が必要です。関節炎を合併することもあるため、症状が慢性化している場合は、皮膚科を受診しましょう。痛みや不快感の緩和、患部の治癒、症状の長期的な管理や再発予防が治療の目標となります。

「足の裏の皮がむけるけどかゆくない」ときの正しい対処法は?

足の裏の皮がむけるけどかゆくないとき、そもそも市販の塗り薬を塗っていいものか、迷う方は多いと思います。正しい対処法としては、まず原因を特定することが大切です。
たとえば、軽い乾燥によって肌がカサカサしている状態であれば、保湿効果のある市販のクリームを使用することで乾燥を改善できます。新しい靴を履いた摩擦などが原因で皮膚が少し剥げている場合は保湿のお手入れと靴の調整をしましょう。靴擦れで皮膚が硬く厚くなって剥けてくる場合には、尿素配合のクリームなどを使用することで角質層を柔らかくし、乾燥による皮むけを防ぐのに効果的です。ただし、症状の原因がわからない場合や判断に迷う場合は、医師に相談しましょう。
また、広範囲に及ぶ炎症や深いひび割れ、感染の兆候が見られる場合なども注意が必要です。自己判断で市販薬を使用せず、病院で医師による診察を受けてください。

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