婦人科医が語る「妊娠前ケアの重要性」妊娠を望んだときに取り入れるのは手遅れ!?

婦人科医が語る「妊娠前ケアの重要性」妊娠を望んだときに取り入れるのは手遅れ!?

プレコンセプションケアはどこで受けられる? 妊娠するために日常生活で気をつけたいケアも解説

編集部

プレコンセプションケアは、どこで受けられますか?

市川先生

例えば、一般的な栄養状態の検査は内科でも可能ですし、性感染症や子宮がんの検査、HPVワクチン接種などは婦人科などでも可能です。しかし、妊娠しやすい体づくりや栄養状態のチェックなどは、プレコンセプションケアというメニューを掲げているクリニックなどに相談することをおすすめします。

編集部

専門の医療機関にかかるのですね。

市川先生

しっかりとした検査という意味ではそのとおりですが、医療機関でおこなうものだけがプレコンセプションケアではありません。日常生活の中でご自身ができる体づくりケアももちろんあります。

編集部

具体的には?

市川先生

栄養面で言うと、痩せすぎの女性がとても多いと感じています。現代社会では、食べる量にかかわらず栄養不足になりがちで、特にタンパク質とミネラルが不足している傾向にあります。なんとなく疲れやすいと感じる女性は、食事の改善からはじめてみてほしいです。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

市川先生

私たちはどうしても「病気や不調になってから」「妊娠してから」、体や健康に意識を向けがちです。しかし、本来は「病気になる前」「妊娠する前」に整えることが重要です。例えば、栄養状態が偏った状態で妊娠期間を迎えると、赤ちゃんの栄養状態も偏ってしまい、成人後に肥満や糖尿病などの生活習慣病になるリスクが高まることが報告されています。妊娠を考え始める前から生活習慣を見直し、鉄分などの栄養素をしっかり摂取しておくことが、生まれてくる子どもたちの将来の健康につながるので意識してみてください。

編集部まとめ

今回は、プレコンセプションケアの目的やメリット・デメリットを解説していただきました。単に「妊娠のしやすさ」だけを目指しているのではなく、妊娠中や産後の不調の予防や改善、さらには、生まれてくる子どもの将来の健康にも関わるケアとのことでした。妊娠を考えている人も、そうでない人も、自分の体や生活習慣を見直すという意味で、一度プレコンセプションケアを受けてみてはいかがでしょうか。

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