夫より私の方が、年収が高いです。現時点在で100万円ほど違うのですが、将来受け取れる年金はどれくらい変わりますか?

年収が100万円違っても、年金額が同じ場合とは

老齢厚生年金(報酬比例部分)の計算に用いられる、標準報酬月額と標準賞与額には、それぞれ上限が設定されています(※3)。

 

標準報酬月額の上限は65万円で、報酬月額が63万5000円(令和2年9月以前の上限額は異なります)を超える方が該当します。また、標準賞与額の上限は1月当たり150万円となっており、年3回までの賞与が該当します。

 

標準報酬月額と標準賞与額の上限以上の収入がある方の場合、報酬や賞与のうち上記の額以上となる部分は、老齢厚生年金に反映されません。

 

従って、年収に100万円の差があったとしても、上記の上限以上の収入がある場合は、年収がいくら違っても厚生年金額は同じとなります。

 

まとめ

老齢厚生年金(報酬比例部分)の額は、平均年収と在職年数によって、概算することができます。年収が100万円違うと、それに伴う年金額の差は、10年在職した場合に5万4810円、40年在職した場合に21万9240円となります。

 

年収を少しでも多く、在職年数を少しでも長くすることで、老齢厚生年金(報酬比例部分)の額を増やすことができます。

 

出典

(※1)日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額

(※2)日本年金機構 年金用語集 は行 報酬比例部分

(※3)厚生労働省 標準報酬月額の上限

 

執筆者:辻章嗣

ウィングFP相談室 代表

CFP(R)認定者、社会保険労務士

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