また乳児を預けるママにとっては、「こんな小さいうちから預けて大丈夫なのか?」という、不安もあるだろう。特に子育てにおいては「3歳までは母親のもとで育てるべし」という“3歳児神話”も気にかかる。
●3歳児神話は一昔前の話 一緒に過ごすのは母親でなくてもいい
「3歳児神話は一昔前の話。乳児の時一緒に過ごすのは、必ずしも母親である必要はありません」
こう断言するのは、幼児教育家として約1万2000人の親子に携わってきた竹内エリカさんだ。
「子どもと2人きりで家にいると、イライラしてしまうママもたくさんいます。そんな気持ちで子どもと接するなら、仕事をもって保育園に預けたほうがいいかもしれません。乳児の場合は特に、ママと子どもの気持ちはシンクロしてしまう。だからママが笑顔でいるのが一番子どもにとっていいことです」(竹内さん、以下同)
●登園時に乳児が泣くのは、気にしすぎる必要ナシ!
とはいえ乳児の場合、入園してしばらくは預ける時に大泣きするケースがほとんど。ママを求めて泣く我が子を背にするときの気持ちを想像すると、今から不安になる人も多いかもしれない。
だが竹内さんは「0歳から2歳までの子どもが登園時に泣くのは気にしすぎないでいい」と話す。
「泣くのははじめだけ。ママがいなくなるとケロッとすることも多いんです。とにかく大事なのは、必要以上に心配したり不安になったりしないことですね。ママが不安になると子どもも不安になり、ママが安心すると子どもも安心するんです」
だが、同じ保育園でも3歳以上の幼児となると、事情は少々変わってくるそうだ。
「3歳ごろになると極端に人見知りの子など、性格的にすぐなじめない子が出てきます。そういう子は、やはりママがメンタルをケアしてあげる必要はありますね。パパやおじいちゃん、おばあちゃんなどにサポートしてもらいつつ、最初の数カ月間で預ける時間を徐々に増やしていくなど、焦らずじっくりと慣らしていく。そうすれば必ずなじめるようになります」
ちなみに、これは幼稚園入園時になじめない場合でも同様。入園前にプレ幼稚園などを利用し、徐々に集団生活へ慣らしていくのがよいそうだ。
●食事は豪華でなくても、スキンシップをしっかりやれば大丈夫
園で過ごす時間が長い保育園。その分家族との時間は貴重となるが、そこでぜひ竹内さんがやってほしいのが「子どもとのスキンシップ」だという。
「一緒にお風呂に入るのは、肌と肌が触れ合う最高のスキンシップです。あとは就寝前もスキンシップには最適な時間。睡眠5分前は心が穏やかになる時間なので、絵本を読み聞かせたり、お話しができるならお話しをしたりするのもいいですね。正直、食事は豪華でなくてもいいんです(笑)。それよりもスキンシップをしっかり行うことで、子どもの心が穏やかになって安心感が生まれます」
幼稚園と比べると、子どもの負担がどうしても大きくなる保育園。だからこそ心配も募るが、一番大切なのはママが必要以上に不安にならないこと。そのためにもまずは「保育園に預ける」という覚悟を決め、いいスタートが切れるようにしたい。
(高山惠+ノオト)