子どもの安全を守るジュニアシート

シートベルトは140cm以上の身長に対応しているため、子どもを乗車させる際は専用のシートを使用しなければなりません。チャイルドシートを使用している場合は、適切なタイミングでジュニアシートに切り替えましょう。
チャイルドシートとの違い
子ども用シートには「チャイルドシート」と「ジュニアシート」があります。
メーカーにもよりますが、チャイルドシートは1~4歳(体重9~18kg・身長100cm以下)、ジュニアシートは4~10歳(体重15~36kg・身長135cm以下)に使用するのが一般的です。
チャイルドシートは本体に搭載された「ハーネス」で固定するのに対し、ジュニアシートは「車のシートベルト」を直接子どもに使います。
大人用のシートベルトは子どもの体格に合わないため、座面を高くしてベルトや骨盤の位置を調節するのがジュニアシートの役割なのです。
チャイルドシートからの切り替えタイミングは?
チャイルドシートやジュニアシートには大体の対象年齢がありますが、体重や身長によって使い分けるのが基本です。
ジュニアシートは「年齢3歳・身長100cm以上・体重15kg以上」が利用開始時期の目安とされています。
体格が大きくなるとチャイルドシートでは窮屈さを感じるようになるため、保護者がしっかりと確認してあげましょう。
とりわけ3~4歳の子どもは成長の個人差が大きくなりやすいので、年齢だけを見て利用時期を決めると、安全性や快適性を失ってしまうおそれがあります。
背もたれのないブースターシートとは
「ブースターシート」とは、車の座席に座面だけ固定するシートのことで、座面を高くして、シートベルトの安全な装着を助ける役割があります。
ジュニアシートとの大きな違いは「背もたれの有無」です。ブースターシートは背もたれやヘッドレストがないぶん体の自由がききますが、急ブレーキや事故の衝撃を受けやすくなります。
子どもの身長がシートベルトの高さに合ってきた頃合いにブースターシートに切り替えるのが理想でしょう。
ブースターシートはコンパクトで場所をとらず、価格がリーズナブルなのがメリットです。
ジュニアシートを着用する期間

頭や背中が固定されるジュニアシートは安全性が高いのがメリットですが、身動きが取れないのを嫌がる子どもも少なくありません。ジュニアシートは何歳まで着用すべきなのでしょうか?
法律で義務づけられているのは何歳まで?
幼児用補助装置の使用が義務づけられているのは、「6歳未満の子ども」を車に乗せる場合です。
2000年に法律が制定されてから、違反者は「幼児用補助装置使用義務違反」負うことになりました。
ただし、「適切に座席ベルトを装着させるに足りる座高を有する幼児」は幼児用補助装置の使用の義務が免除されています。
ジュニアシートは「体重15~36kg・身長135cm以下」がひとつの基準ですが、6歳未満でも身長140cm以上ある場合は、シートベルトの着用のみでも違反にはなりません。
車の座席・シートベルトの構造で固定できないケースでも着用が免除されます。
違反点数や罰則金は?
6歳未満の児童を車に乗せるのにジュニアシートを使わなかった場合はどんな罰則が課されるのでしょうか?
道路交通法施行令によれば「幼児用補助装置使用義務違反」は1点の減点で、罰則金は生じません。
酒気帯び運転(呼気1l中アルコール0.25mg以上)が25点、50km以上の速度超過が12点なので、幼児用補助装置使用義務違反はそれほど重く感じませんが、子どもの命が危険にさらされることを考えれば、点数の大きさは関係ないと言えるでしょう。
他人の車に乗せてもらう際にも運転者には同様の義務が生じます。
JAFは140cmを超えるまでの着用を推奨
シートベルトは140cm以上の身長に合うように設定されているため、年齢が6歳を超えても身長が140cmに満たなければ、十分な安全性が確保できません。
シートベルトは一方の肩と両腰の3点で体を衝撃から守りますが、身長が満たない場合、腰の2点のみで体を支えることになります。
ベルトが緩んでいると、急ブレーキ時に体が抜け出したり首に引っかかったりして大けがをするおそれがあるでしょう。
JAF(日本自動車連盟)では140cm以下のすべての子どもの着用を推奨しています。個人差や男女差もありますが、身長が140cmを超えるのは小学校高学年ぐらいでしょう。
