夫の両親と同居している割合は?
結婚後、両親と同居をしたいと願う夫婦はあまりいません。特に、妻にとっては夫の両親との同居はストレスの原因に十分なり得ます。
実際に、年々親と同居している夫婦の数は減少傾向にあります。まずは、夫の両親と同居している夫婦がどのくらいいるのか見ていきましょう。
同居は全体の2割程度
夫の親と同居している夫婦の数は、全体の2割程度しかいません。
厚生労働省に所属する国立の研究機関「国立社会保障・人口問題研究所」による2014年のデータによると、夫の母親と同居している夫婦は24.9%、夫の父親と同居している夫婦は21.7%となっています。
妻の親と同居している夫婦は約8%と、さらに低い数値です。つまり、全体の70%の夫婦は「両親と同居していない」ということになります。
親との同居は、生活費や家賃などを抑えることができるものの、一緒に暮らすことでのストレスが大きいため、大半の夫婦は一緒に住んでいないのです。
同居を望まない妻は多い
結婚後の夫婦は、仕事や育児などの面から親との同居を1度は考えるでしょう。ただし、夫の両親との同居を望む妻は多くはありません。
大多数の妻が夫の両親との同居について「ナシ」だと答えています。「夫の両親と同居したい」と考えている妻はほとんどおらず、むしろ一緒に住みたくないと考えている場合の方が圧倒的に多いのです。
では、なぜ妻は夫の両親と同居したくないのか、その理由を見ていきましょう。
夫の両親と同居したくない理由
夫の両親と同居することで、精神的にストレスを感じてしまう妻はたくさんいます。では、具体的にどんなことで悩んでしまうのか、理由を見ていきましょう。
育児や教育について口出ししてくる
夫の両親との同居は、育児や教育面でもめてしまう場合が多いです。本来夫婦間でももめてしまう問題ですが、そこに夫の両親が加わることでさらに問題は複雑になってしまうでしょう。
夫の両親はあなたの子育てに異論がある場合、「〇〇すべき」「〇〇しないのはおかしい」などと意見します。また、年代の違いによる意見の食い違いも発生してしまうのです。
相手が夫の両親であればこちらから意見を言いにくく、ストレスがたまってしまいます。自分たちの子どもなのになぜ夫の両親の意見を取り入れなければならないのか、と腹が立ってしまう妻も少なくありません。
義父母に気を使ってばかりで安らげない
夫の両親との同居は、とにかく気を使います。本来くつろげるはずの家でも、まったく落ち着かない・気が休まらないという妻もたくさんいます。
友だちとのランチやディナーに行く度に「また遊んでいる」と思われるのではないか、家でゆっくりしていたら「暇そう」と思われるのではないかなど気を使ってしまい、窮屈な思いをしてしまうのです。
たとえ夫の両親が「気を使わないでいいよ」と言ったとしても、まったく気を使わない訳にもいきません。いつまでも気が休まらず、しんどい思いを抱えながら毎日を送るのはつらいでしょう。
生活習慣が合わずストレスを感じる
起床時間や食事時間など、生活習慣が違うとストレスを感じてしまいます。一緒に生活するとなると、細かいことでも気になってしまうことはたくさんあるでしょう。
一見何でもないような小さな問題でも、毎日のこととなるとしんどくなってしまいます。例えば、食事時間が早すぎる・遅すぎる、早朝に起こされる・トイレの使用を巡って嫌みを言われる、などの問題です。
夫の帰宅時間が違う場合が多く、妻は1日に何度も食事の準備をしなければいけない、などの問題も発生します。
ほかにも、シャンプー・ドライヤー・食器など日用品の使い方を巡ってもめてしまうケースもあるため、同居にちゅうちょしてしまう理由は多様であることが分かります。
同居にもメリットはあるの?
デメリットだらけに見える親との同居ですが、決して悪いことだけではありません。特に、妻がフルタイムで働いている家庭ではかえってストレスを軽減できているというケースもあります。
経済的な負担が軽くなる
親と同居することで、経済的な負担はかなり軽くなります。親の持ち家である場合、住宅ローンはかかりません。また、水道や光熱費といった費用も同居であれば安く済ませることが可能です。
食事も一緒に済ませる場合であれば、別々に作るよりは少し量を増やすだけなので、食費も節約できます。
また、将来持ち家を相続できる可能性もあります。老後や子どもの将来を考え、貯金したいという夫婦にとって、両親との同居は大きな負担軽減となるでしょう。
子育てをサポートしてもらえる
親と同居していると、子育ての手助けをしてもらえます。子育てをしている夫婦にとって、親のサポートほどありがたいものはありません。
共働き夫婦であれば、仕事中子どもの面倒をお願いできます。子どもが熱を出した際にも、頻繁に会社を休まずに済みます。
ちょっと出かけたい場合や夫婦でのデートの際など、子どもの預け先に悩む必要がなくなります。親であれば安心して任せることができるだけではなく、親も孫と一緒に遊べると喜んでもらえるかもしれません。
家事を分担できるので楽
親と同居していれば、家事を分担することが可能です。掃除や洗濯・料理などをすべて妻がするという心配もなくなるでしょう。
特に共働き夫婦の場合、家事の分担の割合でもめることも少なくありません。親と同居することで、忙しいときにはサポートしてくれるため、負担も軽減されます。
ただし、家事の分担は同居するタイミングでしっかりと話し合っておきましょう。同居で気を使ってすべての家事をやってしまうと、やってもらうことが当たり前になってしまいます。
そうすると、人数分の負担があなたにのしかかってしまいます。家事や育児など、同居するにあたってのルールは始めに決めておきましょう。
やっぱり嫌!同居を上手に断る方法は?
親と同居するメリットとデメリットを確認してきました。親との同居は、金銭面や家事・育児の負担は減るものの、やはり嫌という人もいるでしょう。同居の上手な断り方を見ていきます。
子どもを理由にする
子どもを理由に断れば、相手も傷つかず穏便に終わらせることができます。妻や夫が嫌がっているということが相手に伝わりづらいからです。
親の家から自宅が離れている場合、「学校が変わることを嫌がっている」「友だちと離れたくないと泣いている」などと断りましょう。
子どもを理由にすれば、「かわいそう」という理由で引き下がってくれる場合が多いです。あくまでも子どものことを思っての選択だ、ということをアピールしましょう。
近距離別居を提案してみる
「夫婦の家に引っ越してきたい」と言われている場合には、近距離別居を提案しましょう。あくまでも一緒に住むことを嫌がっている訳ではないことを伝えることができます。
同居をすると関係性が悪化する家庭が多いことを持ち出し、「今の良好な関係を続けたいから」と伝えると相手を傷つけることなく断れるでしょう。
「ほどよい距離感は良好な関係を築ける」ことを伝えるとより効果的です。場所が近ければ、育児のサポートもしてもらえるので、夫婦にとってもメリットが大きいでしょう。
夫を味方につけ、はっきり断ってもらう
どうしても断りづらい場合には夫を頼りましょう。夫と話し合い、直接親と話してもらうようにお願いします。夫に直接断ってもらえば、関係性が悪化することは少ないです。
また、言い訳をせずきちんと断ることで誠意を伝えることもできます。決して夫の親が嫌いな訳ではないことを伝えることで、今後も良好な関係が築けます。
息子からの願いであれば、受け入れてくれるでしょう。どうしても解決しない場合には、夫を頼ることをお勧めします。
まとめ
夫の両親との同居は、妻にとってかなりのストレスになってしまいます。たとえ金銭的なメリットがあっても嫌がる人は少なくありません。
同居を提案された場合は、関係の悪化を防ぐためにも相手を傷つけない断り方を考えましょう。