夫婦の食費は月平均4万円?1万円でも減らすためにできることとは?

第38回 みんなが共感!ママのお悩み
生活費の中で大きな割合を占めるのが「食費」です。食費は地域や世帯収入によっても差がありますが、夫婦2人暮らしの相場はどの位なのでしょうか?食費節約のためにできるアイデアや挫折しない家計簿の付け方などを紹介します。

夫婦2人暮らしの食費の相場は?

夫婦で生活費を節約しているという家庭も多いでしょう。家賃を除く生活費の中で食費はどうしても割合が高くなってしまいがちです。地域差や世代差もありますが、夫婦2人暮らしの相場を見て、節約のヒントを探してみましょう。

おおよそ4万~5万円程度

総務省の家計調査報告(2020年)によると、2人以上の世帯における1カ月の食費は約7万6000円です。

一見高いように見えますが、この数字は世帯人数を「2.96人」とした計算なので、夫婦2人だけの場合は5万1000円ほどになるでしょう。

これには「外食」や「酒類」なども含まれており、勤労者世帯と無職者世帯を比べると、「勤労者世帯」の方が1万円ほど多い傾向があります。

地域・世帯年齢・収入階級などによっても価格は変動しますが、他のアンケート結果や集計を参照してみると、夫婦2人暮らしの食費は4~5万円が相場となっています。

出典:家計調査報告-2020年(令和2年)1月分-|総務省

住む地域によっても異なる

都市部と地方では、物価や収入が大きく異なり、1カ月あたりの消費支出も地域ごとに差があります。

首都圏をはじめとする大都市エリアは物価が高く、食費も上がる傾向があります。1カ月の食費は5~7万円で、5万円以内に収めるのは難しいところもあるようです。

都市部は、地方に比べて「外食率」が高いのが特徴です。共働きの場合、仕事で帰りが遅くなると外で夕食を済ませたり、デパ地下などでテイクアウトをするケースが多くなったりするようなケースが推測されます。

逆に、北海道・東北・中国・四国・九州・沖縄は、ほかのエリアに比べ食費が安く抑えられる傾向があります。

食費は手取りの15~20%が理想

地域ごとに物価や収入の差があるため、金額だけで「食費が高い・安い」判断することはできません。家計簿を付けるときや食費を設定する際は、手取り給与額の15~20%を目安にするとよいでしょう。

たとえば、世帯収入が25万円の場合、食費は3万3000円~4万2000円ぐらいで収めるのが理想です。

また、家計の消費支出に占める食費の割合を「エンゲル係数」と呼びます。この数値は「支出全体から見て食費が多すぎていないかどうか」を知るひとつの指標になります。

エンゲル係数は「食料費÷消費支出×100」で算出され、一般的に20%前後が理想とされています。

食費を管理、節約するためのポイントは?

食費を節約するには「1カ月にどのくらい食費がかかっているか」を知るのが第一歩です。食費を無理なく管理・節約するためのヒントを紹介します。

家計簿を付ける習慣を持つ

食費がかさむ人は「何にいくら使っているのか」が把握できていないケースがほとんどです。

「家計簿」の習慣を取り入れると、どこに無駄があるのかが明確になり、節約意識が高まります。残り予算がはっきり分かるので、次週の買い物計画が立てられるでしょう。

家計簿は毎日ではなく、1週間ごとにまとめて付けても構いません。レシートだけは必ずとっておき、週の終わりに集計しましょう。集計後は、結果を自分なりに分析し、解決のための対策を立てていきます。

まとめ買い、作り置きで無理なく節約

スーパーに行くと、誘惑に負けてお菓子や飲み物などをちょこちょこ買ってしまう人は多いでしょう。棚一面の商品を見ると購買欲が刺激され、本来買うつもりでなかった物まで購入してしまうのです。

日替わりの割引券やおまけを用意するスーパーもありますが、1週間ごとに「まとめ買い」をし、店舗に足を運ぶ回数を減らしましょう。

ポイントは先に献立を決めてから買い物に行くことです。献立を決めずに行くと特売品を次々買ってしまい、食材が使い切れなくなる恐れがあります。

まとめ買いをしたら、副菜になるおかずを作り置きしておきましょう。材料が無駄にならない上に、ガス代の節約にもなります。

節約の目的も決めておこう

目的を決めないで節約を始めると、途中で挫折しやすくなります。「こんなに切り詰めてるのは何のため?」とモチベーションが下がってきてしまいます。

節約する過程では、日々のお菓子やビールをやめたり、外食を減らしたりと、いろいろ我慢しなければならないことが増えてきます。

我慢ばかりでは心理負担が大きくなるので、「1年で〇万円貯めて旅行に行く」「家電や車を買い替える」など、節約の目的を決めてみましょう。節約のストレスが減り、楽しみが増えます。

家計簿を忘れちゃう?続けるコツとは

家計簿を付けるのは面倒で、慣れていない人はすぐに挫折してしまいます。レシートを取っておくのさえ難しい人もいるでしょう。無理なく家計簿を続けるためのヒントを紹介します。

過剰に細かく書こうとしない

家計簿の目的は「家計簿を付けること」が目的ではなく「家計を把握すること」です。購入した物を1点1点細かく記入する必要はなく「入ったお金はいくらで、出たお金はいくらか」が分かっていればよいと割り切ることも大事です。

スーパーで買い物をしたときは「牛乳198円・ほうれん草128円…」というふうに、レシートの詳細までを記録しなくても大丈夫です。「食品2500円」「日用品689円」とざっくりと分けるだけでも、出費は十分に把握できます。

また、支出費目を細かく分けすぎるのも挫折する原因になります。食費・日用品・特別費・医療費・その他など、5~6項目程度にまとめた方が初心者には楽でしょう。

レシートの置き場所を決める

家計簿を初めて付けるときにありがちなのが「レシートの紛失」です。レシートを取っておく習慣がない人は、コートのポケットやカバンの中など、あちこちに突っ込み、いつの間にか捨ててしまいがちです。

現金の取り引きではレシートがなくなると、どんな支出があったのか分からなくなってしまいます。レシートの置き場所を決めるか、レシートだけを入れておく専用のファイルを用意しておきましょう。

クレジットカードや電子マネーで支払う場合は、その都度メモするか、スマホに記録しておきます。

アプリ導入もおすすめ

家計簿は、必ずしも手書きである必要はありません。パソコンのエクセルやスマホなど、自分に合ったツールを使いましょう。

近年は、スマホで簡単に管理できる便利な「家計簿アプリ」が登場しています。アプリの良さはスキマ時間にサクッと操作ができ、月や年ごとに自動集計をしてくれる点です。

一目見て分かるようにグラフ化してくれるアプリもあり、お金の管理が苦手な人や忙しい人も無理なく家計簿が続けられるでしょう。レシートの読み取り機能が付いたアプリならさらに効率がアップします。

食費節約の際に気を付けること

「節約は我慢の連続でつらい…」という気持ちを抱いてしまうと、節約は上手くいきません。食費節約を長続きさせるためは、目的の再確認とルール決めが重要です。

節約を目的にしないよう注意を

節約をする目的は人それぞれですが「節約のために節約をしている」という状態にならないように注意が必要です。

節約自体が目的になると、食費を過度に削ってしまったり、好きな物を我慢しすぎてしまったりして、気持ちに余裕がなくなっていきます。つまり「お金はあっても心が貧乏」になってしまうのです。

節約はあくまで「手段」であって「目的」ではありません。節約がエスカレートしてきてつらいと感じたら「何のためにやっているのか?」を改めて考え直してみましょう。

外食するときのルールを決める

外食は節約の大敵といえますが、月に1、2回おいしいお店でランチやディナーをするのは、節約生活での気分転換になります。

ただ「自炊が面倒だから」という理由で外食をすると、食費がどんどんかさんでしまうため、夫婦で外食のルールを決めましょう。

たとえば「外食は月に4回まで」「ランチかディナーのどちらか1回」「外食は1人3000円を超えない」などです。ルールをしっかり守れば、節約しながら外食も楽しめるでしょう。

まとめ

食費節約をしていると「何のために節約してるんだっけ?」と目的を見失ったり、「節約生活はつらくてつまらない」という気持ちが湧いてきたりします。我慢をし続ける節約は心を貧しくしていくでしょう。

夫婦で節約するときは「目的」をしっかりと決めることが大切です。「贅沢はNG」と決めつけずに、4万なら4万、5万なら5万の予算内でなら外食も楽しみましょう。

家計簿の付け方や買い物の仕方などは、上手にやりくりしている人を参考にするのもおすすめです。