お箸を持てるのはいつから?
スプーンを持つのもままならない時期にお箸の練習を始めても、なかなかうまくいきません。手指を器用に動かせるようになってから少しずつ段階を踏んで、無理なくお箸に移行するのがベターです。
目安は3歳ころ
お箸の練習を始める時期に決まりはなく、子どもの発達状況を踏まえて検討しましょう。目安は「ピースサイン」ができるようになる3歳ごろといえます。
赤ちゃんのころは、手を「グー」の形に丸めた状態です。成長とともに、親指と4本の指で挟むように握ることを覚えます。その後、親指と人差し指の2本の指を使ってつまむ動作ができるようになるでしょう。
3~5歳にかけては「微細運動」の能力が急成長し、手指を使った細やかな動作ができるようになっていきます。ピースサインができるようになったら、指1本1本を器用に動かせるようになった証拠です。お箸の練習も始められます。
大人のまねをしてお箸を持ちたがるようになったときも、練習を始めるチャンスです。上手に使いこなせるまで約2年かかると思って、気長に見守りましょう。
スプーンのすくい持ちができたら
スプーンの柄を上からわしづかみにする「握り持ち」の段階では、お箸を持つのに必要な親指・人差し指・中指の力と手首の回転力が足りません。
スプーンの柄を下から鉛筆と同じように持つ「すくい持ち」をマスターすれば、正しいお箸の持ち方もスムーズに習得できます。すくい持ちに移行する時期は、ある程度ご飯をきれいに食べられるようになる「2歳ごろ」が目安です。
人差し指と親指をピンと伸ばしてL字に広げ「バキューン」と撃つような形にしてから柄を持たせてあげると、感覚をつかみやすいでしょう。
子ども向けお箸の選び方
子ども向けのお箸は、長さも形状も種類が豊富です。子どもの身長や手の大きさに適したお箸の長さを知り、成長に応じて買い替えましょう。サポート付きのお箸は、メリットとデメリットを踏まえたうえで活用することが大切です。
適した長さは身長や年齢で変わる
手の大きさに対してお箸が長すぎると、正しいお箸使いをマスターできません。靴を買い替えるのと同じように、手の成長に合わせてお箸も新調してあげましょう。
初めてのお箸は、子どもの手に対して「少し短いと感じるくらい」が使いやすいとされています。お箸の扱いに慣れてきたら、L字に広げた親指と人差し指の両端を結んだ長さの「1.5倍」のサイズを与えましょう。
身長と年齢の目安としては、身長が100cm以下の2歳ごろまでは「13cm」のお箸、身長が100~110cmの3~4歳ごろは「14.5cm」のお箸が適しています。
サポート付きのお箸を使ってもよいの?
リングやブリッジなどのサポートが付いた「矯正箸」が販売されています。親指・人差し指・中指の位置に付いているリングに指を通したり、くぼみに指をそえたりするだけで小さい子どもでも簡単にお箸が持てる設計です。
お箸の動かし方や物をつかむ感覚を身につけられることから、最初のお箸として与える人も少なくありません。
しかし、通常のお箸とは力の入れ方が異なるため、通常のお箸に移行するのに苦戦したり、持ち方にクセがついてしまったりする可能性もあります。矯正箸はお箸に慣れるまでの最初のステップとして、一時的な使用にとどめた方が無難でしょう。
正しいお箸の持ち方を再確認しよう
お箸の「正しい持ち方」は「効率のよい持ち方」です。正しく持てば食べ物をうまくつかむことができ、テーブルや服も汚れにくくなります。食事の時間をより楽しむためにも、正しい持ち方を身につけてもらいましょう。
下の箸が固定されるように持つ
正しいお箸の動かし方を身につければ、きれいな持ち方も自然にマスターできます。お箸で物をつかむときは、上のお箸だけを動かして下のお箸はほとんど動かしません。
下のお箸を固定する感覚を身につけるためにも、まずは薬指の第1関節にお箸を1本のせます。「親指の腹で上からグッと押さえる形」を覚えてもらいましょう。
次に上のお箸を追加して、鉛筆と同じように持たせます。下のお箸はそのままに、上のお箸だけで「数字の1」を書くように上下に動かしましょう。
絵本で図解を見ながら『はしのもちかた』
正しいお箸の持ち方を解説している絵本も販売されています。お箸に関する絵本を読み聞かせることは保育園などでも行われている方法のひとつです。子どもがお箸に興味を持つきっかけづくりや、意欲をくすぐることにもつながるでしょう。
絵本とあって、子どもにもわかりやすい文章とカラフルなイラストが満載です。「お箸の持ち方を口で説明するのが難しい」と感じているママのモヤモヤを解消してくれると同時に、子どもも遊び感覚でお箸の正しい持ち方を楽しく覚えられます。
楽しみながら身につく練習方法
自宅にある身近なものを活用すれば、お箸の練習がもっと楽しくなります。上達するまでの道のりは長くなることが予想されるため、親子ともに笑顔で取り組めるように工夫してみてはいかがでしょうか?
輪ゴムをサポーターに
「輪ゴム」を使って指とお箸を固定して、正しい持ち方を覚えるのも手です。輪ゴムを「8の字」にして、それぞれの輪に利き手の親指と人差し指を通します。両指とも、上から通してOKです。
上のお箸は人差し指と同じ輪、下のお箸は親指と同じ輪に通すと、正しい持ち方になります。上のお箸と一緒に下のお箸も動いてしまうときは、利き手の薬指の第1関節と下のお箸を輪ゴムで固定するとよいでしょう。
下のお箸がしっかりと固定され、上のお箸を動かすことだけに集中できます。血が止まってしまうほど輪ゴムを強く巻き付けないように気をつけましょう。
おしぼりをつかんだり、広げたり
食事の時間にお箸の練習をすると、思うように食べられなかったり食べ物が散らかってしまったりして親子ともにストレスがたまる一方です。遊びの一環としてお箸のトレーニングを重ねてから、実践にチャレンジしても遅くはありません。
お箸でつかむものは丸めたティッシュやスポンジなどの軽いものから始めて、慣れてきたら「水で湿らせたおしぼり」がおすすめです。
濡れたおしぼりは適度な「重み」があるため、つかむ力を鍛えられます。お箸を使って畳んだり広げたり丸めたりすることで、繊細な動かし方も学べるでしょう。
練習向きのお箸で成功体験を積み重ねよう
トレーニング用のお箸を活用すれば、正しい持ち方やつかみ方が自然と身につくうえ「できた!」という達成感も味わえます。
練習のモチベーションがアップするだけでなく、自信がついてお箸への苦手意識がなくなるのも大きなメリットでしょう。
重心まで計算された「ポポとミミの六角知能ばし」
鉛筆と同じ六角形を採用しています。親指・人差し指・中指の3本の指で、自然に正しく持てるでしょう。
小さな指に負担をかけないように、太さと重さにもこだわっています。一般的な子ども向けのお箸が直径8mm・重さ10gに対し、直径6mm・重さ6gとスリムかつ軽量です。
食べ物をつかむときに、お箸から指が離れにくいのも大きな特徴でしょう。通常の箸は、中心よりもやや持ち手の方に重心がありますが、こちらはほぼ中心です。
さらに、お箸の先には3cmのすべり止め加工が施されており、つかみやすさがアップしています。
自然に持ち方が学べる「はじめてのちゃんと箸」
小さな子どもにとって難しい「お箸を開く動作」をサポートします。マシュマロタッチのバネ設計で先端が自然に開くため、握るだけで食べ物をつかめるでしょう。
お箸とお箸を連結する「カプラ」が、2種類セットになっているのもポイントです。最初はサポート力のある「ハードカプラ」を装着して、正しい持ち方や物をつかむ感覚を身につけます。
お箸の扱い方に慣れてきたら、自由度の高い「ソフトカプラ」に変えることで自在にコントロールする力を養うことが可能です。
まとめ
お箸を正しく扱うには、想像以上に高度な技術を必要とします。練習の開始時期は月齢よりも発達状況を優先して、焦らずじっくり取り組むことが重要です。
いきなり食事でお箸を使うのはハードルが高いため、まずは遊び感覚で練習を始めてみましょう。必要に応じて、絵本やサポート付きのお箸の力を借りるのもありです。練習が楽しくなるように工夫すれば、正しい持ち方も自然と身につくでしょう。