褒め方が「スゴイ!」「エライ!」ばかりになっていませんか?

第3回 いい親よりも大切なこと
子どもにはついつい「スゴイ!」「エライ!」とひとまとめに褒めてしまう親も多い。「ほめて育てる」が頭にあるからだろうが、きっと他のほめ方もいろいろあるはずだ。でもいざ子どもを目の前にすると、なんて言っていいか分からない。そこで悩めるママに向けた書籍「いい親よりも大切なこと~子どものために“しなくていいこと”こんなにあった!~」著者である小竹めぐみさんと小笠原舞さんを取材した。

●ほめるよりも認めてあげる

よく子どものことを見ないで「すごーい!」「えらーい!」と簡単に褒めてしまうことがある。しかしこればかり言うと、大変なことになる可能性もあるという。どんなことが起こるのか?

「よく知る保育園で、うまく折り紙ができた子に対して“スゴイ!”とほめたことがありました。すると折り紙が作れない子のことを『あいつはすごくない。ぼくはすごい』と優劣をつけることを言い始めたんですね。子どもは素直です。信頼する大人の言うことを信じます」(小笠原氏)

大人の基準を子どもがそのまま取り入れてしまうことには、危険性があるのだ。では、「すごい」「えらい」を言わないでほめるとなると、どうしたらいいんでしょうか?

「たとえば、子どもがとても真剣に書いた絵があったなら、ぜひ“目の前の事実”を言葉にして欲しいのです。『ずいぶん細かく描いてるね』『雲を大きく描いたね』と言ってみてください。きっとあふれんばかりの笑顔になると思います。子どもは大雑把に「すごい!」とだけ言われるよりも『あなたの太陽は緑色なのね』などと具体的に見てくれた方が嬉しいのです」(小竹氏)

確かに大人でも料理を普通の「おいしい」と言われるよりも「しっかり出汁がとってあるね」とかもう一声あったら嬉しいが、それと一緒だそうだ。そのままの事実を伝えるなら、簡単で疲れているママでも簡単に出来る。

また「ダメ」だけでも子どもに通じないことがある。そんな時は、“やってほしい行為”を言うことが有効だという。

「子どもが急に走り出した時、『ダメ!走らないで』と注意してしまうかと思いますが、こんな時『走らないで』と言われただけでは、大人のように『止まる』か『歩く』という選択肢はありません。そこで『走らないで』ではなく『歩こうね』と子どもにしてほしいことを具体的に教えてあげるのです」(小笠原氏)

すごいほめ方

●言い訳の中にこそ真実が!

またついつい「だから言ったでしょう!」「なんでそういうことするの?」と強く聞く親がいるが、こんな時やってしまいがちなことがある。頭に血が昇っているからこそ、覚えておいてほしいこととは?

「子どもがいたずらや失敗をした時に『なんでそういうことするの?』と聞く大人がいますが、大人が質問しておきながら、子どもに言い分を言う時間を与えなかったり、一方的に叱っていたりする光景はよくあります。たとえ子どもでも言い訳の中にこそ、真実が隠れています。それに言い分を聞くだけで、子どもは自分の思いを受け止めてくれたと思い、安心します」(小竹氏)

子どもが一生懸命話している時は、途中で遮らないでほしいという。話を“聞ききる”ということも大事なキーワードだと2人は言う。忙しい毎日の中でもきちんと“聞く”ではなく“聞ききる”という愛情表現をぜひ試してみてほしい。

(取材・文/谷亜ヒロコ)

お話をうかがった人

小竹めぐみ 小笠原舞
小竹めぐみ 小笠原舞
こどもみらい探求社
小竹めぐみ(左)
合同会社こどもみらい探求社共同代表。保育士をする傍ら、家族の多様性を学ぶため、世界の家々を巡る一人旅を重ねる。 砂漠の民とアマゾン川の原住民の暮らしに大きなヒントを得て、2006年より”違いこそがギフト”と発信する活動を開始する。 幼稚園、こども園、保育園に勤務後、自分らしい保育士の形をみつけようと決意し2012年に独立。 人のもつ凸凹を大切にしながら、日々の変化を楽しみに暮らしている。

小笠原舞(右)
合同会社こどもみらい探求社共同代表。幼少期に、ハンデを持った友人と出会ったことから、 福祉の道へ。大学時代にボランティアでこどもたちと出会い、彼らの持つ力と創り出す世界に魅了される。 20歳で独学にて保育士国家資格を取得し、社会人経験を経て保育現場へ。 こどもたちの声を大切にできる社会を目指し、既存の枠にとらわれず、新しい仕掛けを生み出しながら過ごしている。
小竹・小笠原の共著として、2016年12月には、子育て本「いい親よりも大切なこと 〜子どものために“しなくていいこと"こんなにあった!!〜」を、 2017年1月には写真集「70センチの目線」を出版。
小竹めぐみ(左)
合同会社こどもみらい探求社共同代表。保育士をする傍ら、家族の多様性を学ぶため、世界の家々を巡る一人旅を重ねる。 砂漠の民とアマゾン川の原住民の暮らしに大きなヒントを得て、2006年より”違いこそがギフト”と発信する活動を開始する。 幼稚園、こども園、保育園に勤務後、自分らしい保育士の形をみつけようと決意し2012年に独立。 人のもつ凸凹を大切にしながら、日々の変化を楽しみに暮らしている。

小笠原舞(右)
合同会社こどもみらい探求社共同代表。幼少期に、ハンデを持った友人と出会ったことから、 福祉の道へ。大学時代にボランティアでこどもたちと出会い、彼らの持つ力と創り出す世界に魅了される。 20歳で独学にて保育士国家資格を取得し、社会人経験を経て保育現場へ。 こどもたちの声を大切にできる社会を目指し、既存の枠にとらわれず、新しい仕掛けを生み出しながら過ごしている。
小竹・小笠原の共著として、2016年12月には、子育て本「いい親よりも大切なこと 〜子どものために“しなくていいこと"こんなにあった!!〜」を、 2017年1月には写真集「70センチの目線」を出版。