ママインターンに参加したいときはどうすれば?

第3回 ブランクを気にせずキャリアを築くママインターン
結婚や出産を機に仕事を辞めたママが再就職を考えるタイミングは人それぞれ。ただ、子どもが小学生になって落ち着いてからと考えると、一度仕事を辞めて6~10年は経っていることもある。

そうした仕事のブランクの不安を解消する手段のひとつが「ママインターン」だ。キャリア講座や職場体験というステップを踏み、就労を目指すママと企業のマッチングを行っていく。利用してみたいけど、一体どうすればいいの? NPO法人ArrowArrowの代表理事、堀江由香里さんに聞いた。

「私たちの団体の場合、下記のステップで再就職を支援しています」(堀江さん 以下同)

・キャリア講座…自分のスキルの棚卸しを行い、強みを可視化。1日3時間。
・実践型ワークショップ…実際に企画を出す擬似会議などを行う。全3回。
・職場体験…2回から6回の職場体験で、企業との相性を見ていく。

「特に不安に感じるのが、職場体験だと思います。私たちの場合は職場体験の初日の顔合わせの日に、スタッフが出来る限り同行してサポートを行います。同行が難しい場合は、事前に企業との打ち合わせを実施するようにしています。インターン中は、その後のミスマッチングで問題が起きないよう、企業側とママ側、どちらも相性を見極める大切な期間になります」

企業とのマッチングが成功すると、勤務は週2~3回、1日5時間程度のペースで扶養控除内の範囲でスタートすることが多いという。

少ない勤務時間で始めてリズムがつかめてくると、子どもの学校の長期休暇のタイミングなどで、フルタイムへの移行などを検討していく。

●ママインターンに参加する企業が、育児中の女性に理解があるワケ

再就職するにあたり、ブランクのある女性が持っておくべき心構えとは?

「子どもが病気になったとしても、休んで当たり前ということではありません。状況がわかった段階で早めに連絡するなど社会人としてのマナーを忘れないように、と伝えています」

保育園の託児時間内での就労を望むなど、制約のある女性を起用するのが初めてという企業もある。ママインターンでは「子どもが風邪をひくと、休む可能性があります」など、企業側で対応を迫られる可能性のあることを、事前に伝えているという。

子どもを抱っこしている女性

●無理なく、就労を継続するために

ではママが再就職する際、心構えとして大切なこととは?

「企業側と雇用される側も、人と人との関係で成り立っています。自分のできること、できないことを雇用者側に伝えていくことが大切です」

ちなみに、インターン中に夫と話し合っておいた方がいいことはあるのだろうか。

「育児と仕事を両立させるために、育児や家事の分担について、家族から理解を得ることは大切です。ですが、ママインターンに参加する女性の多くは、仕事に対する自信を失っていて、家族に協力が必要であることを主張できないようです。復職後は、家事や育児を自分ひとりで行える3時間程度の勤務時間帯で行おうとする方が少なくありません。でも、それだとママの負担が増えるだけ。できれば早めに相談するのがいいと思いますが、仕事に慣れ、成功体験を積み重ねることで仕事にやりがいを感じ始めると、夫に協力を頼み、勤務時間を増やしていくことが多いようです」

ママインターンで企業とのマッチングに成功した参加者は、継続して就労できる確率も高い。ブランクに不安を感じている場合、一歩踏み出す手段として検討してみてはいかがだろうか。
(石水典子+ノオト)

お話をお聞きした人

堀江由香里
NPO法人ArrowArrow代表理事
特定非営利活動法人プラスエス所属。人事部の立上、新卒採用プログラム、研修プログラム立案、社内活性化プロジェクト立案等に携わった後、人材紹介グループに異動し、キャリアコンサルタントに従事。就職支援セミナーの実施やフリーペーパーの発行を行う。
特定非営利活動法人プラスエス所属。人事部の立上、新卒採用プログラム、研修プログラム立案、社内活性化プロジェクト立案等に携わった後、人材紹介グループに異動し、キャリアコンサルタントに従事。就職支援セミナーの実施やフリーペーパーの発行を行う。