外傷で永久歯が抜けてしまったら…
思わぬ転倒や衝撃で、顔面を強打してしまい、歯が抜けてしまった場合は、抜けた歯を乾燥から防ぐために牛乳、なければ水に浸して、少しでも早く歯科にかかりましょう。歯が抜けてから、早ければ早いほど、元の位置に戻せる可能性は高く、30分以内で90%ととも言われています。しかし、2時間以上経過すると5%程度となるそうで、どれだけ迅速に対応し、歯科にかかることができるかが重要になります。
注意しなければいけないのが、強打した際に汚れたからといって、歯が抜けた部分をゴシゴシ洗うこと。「歯根」を触ることにより、歯根の表面についている「歯根膜」が傷つき、歯を元に戻せなくなる可能性が高くなるのだそう。
歯を抜けたままにすると起こる様々な影響
医療法人池田会 池田歯科クリニック・アリオ北砂歯科クリニックのウェブサイトをもとに、歯を抜けたままにするとどうなるのかまとめました。おもな影響は以下の通り。
・抜けた歯とかみ合っていた歯が伸びてくる
抜けた歯とかみ合っていた歯は、かみ合う相手がいなくなり徐々に伸びてくる
・抜けた歯の両隣の歯が傾く
両隣の歯は支えがなくなってしまうため、抜けた歯の方向に傾いていってしまう
・噛み合わせがくるい、正しい噛み合わせが失われる
正しい噛み合わせが失われ、片側だけで噛むくせがつくと、顎関節症や肩こり、あごの関節の痛みなどの症状がでる可能性がある
・歯の間に隙間ができ、食べ物が歯の間に詰まり汚れやすくなる
歯が汚れやすくなると、虫歯や歯周病の原因となる細菌がたまり、口内環境の衛生が悪くなる
・歯が抜けて時間が経つと歯肉がやせる
歯肉がやせることにより、頬がこけて見えたり顎がたるんで見えたりする
など、様々な影響があるのだとか。奥歯や見えない場所の歯だからといって、抜けたまま放置するのはよくなさそう。ほったらかしにせずに歯科にかかり、入れ歯やブリッジと呼ばれる人工の歯をつける方法、もしくはインプラントという人工の歯を埋め込む治療をしましょう。入れ歯とブリッジは保険適応と保険外のものがあり、インプラントは保険外のもののみとなっています。
歯が抜けたまま放っておいても、いいことはひとつもありません。ほかの歯に悪い影響を及ぼす前に、歯科に行き、適切な治療を受けましょう。
(文・山本健太郎/考務店)
参考 歯を抜けたままにしていると? | 池田歯科クリニック アリオ北砂歯科クリニック
http://www.ariodc.com/implant-02.html