子どもにばかり目を向ける妻…その時夫が考えることは? 

第3回 気が付けば夫は同居人!? “夫婦育て”していますか?
子育て中のママにとって第一優先は「夫」よりも「子ども」と考える人は多いだろう。夫婦だけの時間もなかなか確保できず、気が付くと「パパ」と「ママ」という子どもを通じた関係性になってしまう。

ママテナ独自調査によるアンケートを行ったところ、「夫婦関係が円満になるために夫婦だけの時間は必要だと思いますか?」という質問に「はい」と答えたママは70.7%。やはり夫婦だけの時間が必要と考えている人が多いことがわかる。

だが、ここで気になるのは「いいえ」と答えた29.3%のママたち。「はい」よりも少ないものの、約3割と考えれば決して無視できない数字だ。本来愛し合って結婚したはずの夫婦なのに、夫婦だけの時間を必要としない。その本音とは一体何なのか?

背中を向けて寝る夫婦

●子どもにばかり目を向ける妻にやがて夫は……

今回「必要としていない」と考えている理由について、詳しく分析してみるといくつかの傾向がみられることに気づいた。

■ケース1 夫婦関係がそもそもうまくいっていない

「顔を合わせるとケンカになる」(30代前半)「いない方がラク」(40代前半)「会話したくない」(40代前半)…など。こうなってしまうと夫婦だけの時間をつくる必要性を感じないのは仕方がないかもしれない。

■ケース2 夫婦の時間より“家族の時間”を優先したい

「夫婦だけの時間より、家族みんなでいる時間が大切」(40代前半)「夫婦だけの時間を持てていなくても、家族として会話があり、風通しの良い関係を保てていたらそれで良い」(30代後半)「子どもがいてこその家族だから、夫婦だけにこだわる必要はない」(40代後半)「夫婦の時間よりも子どもを含めた家族の時間が大切だと考えている。 この時間を無駄にしなければ夫婦円満にもつながる」(20代後半)…など。

いずれも「確かにそういう考えもアリかも?」と思いそうだが、こういった関係でもいいのだろうか?

夫婦修復カウンセラーとして活躍する鈴木あけみさんは、このような妻の考え方について「これは夫婦関係として大いに問題ありです」と断言する。

「私の元にはたくさんの子育て世代の夫が相談に訪れますが、皆さん口をそろえてこう言いますよ。『妻が子どもばかり大切にして、自分のことをないがしろにする』と。女性は結婚したら『こんな私を夫は理解してくれる』と妙な自信を持つ人が多いんです。でも、決してそんなことはありません。子どもにばかり目を向けていては、やがて夫は家から足が遠のきます」(鈴木さん 以下同)

実際、鈴木さんは妻が子どもばかりに目を向けて関係が崩壊している夫婦をたくさん見てきたという。家族が円満なら夫婦関係も安泰という考えは、やはり甘いようだ。

なお、上記2つとは異なったパターンも見受けられた。

■ケース3 妻は必要性を感じているが、夫にその気がない

「相手が必要としていないから」(30代前半)「夫が自分本位で人の話を聞かない」(30代前半)…など。この場合夫に問題がありそうだが、妻は一体どうすればよいのか?

「こうしたパターンで多いのは、妻が夫に恥じらいを一切なくしていること。平気で裸になったり、オナラをしたりするような関係になったら、夫もその気をなくします。思い当たる人はまずそこを改善してください」

子育てはいくら大変でも、本当に手がかかる時期は案外短い。子どもありきの関係ばかりに気をとられてばかりいると、夫は少しずつ不満が溜まり、やがて妻を捨てる。そんな未来にならないためにも、少しずつ夫と2人の時間をつくってコミュニケーションをとる“夫婦育て”を始めることをおすすめしたい。
(高山惠+ノオト)

お話をお聞きした人

鈴木あけみ
鈴木あけみ
オフィスベル 夫婦・離婚問題相談室代表
夫婦修復カウンセラー協会会長。20年以上カウンセリングに携わってきた。市民グループ離婚問題相談の会・キュア代表。 「シングルマザーにならないで!」「STOP離婚!」が信条。
夫婦修復カウンセラー協会会長。20年以上カウンセリングに携わってきた。市民グループ離婚問題相談の会・キュア代表。 「シングルマザーにならないで!」「STOP離婚!」が信条。