●知らず知らずのうちに、わが子を“アダルトチルドレン” にしてしまう可能性も!
「一見、いい子で育てやすい子に見えたとしても、そういった子どもは、親に見捨てられないように心のなかで葛藤しながら、必死にいい子を演じているのです。“ウチは虐待なんて関係ないわ”という親御さんでも、実は言葉の暴力など、“心理的な虐待”により、知らず知らずのうちに“アダルトチルドレン”にしてしまう可能性があるので、気を付けなければなりません」
そう話すのは、『1人でできる子になる テキトー母さん流子育てのコツ』の著者、立石美津子さん。そこで、子どもをアダルトチルドレンにしてしまいがちな“親のNG習慣”を挙げていただいた。
●子どもをアダルトチルドレンにしてしまう“親のNG習慣”
(1)いい子にしていないと愛さない。いい子だったら愛すなどの条件付きの愛を与える。
(2)子どもが悪いことをした時だけ感情に任せて叱り、良いことをしても無視。褒めることが一切ない。
(3)“子どもの出来栄え=自分の作品”となってしまい、自分の思い通り育っていないことを嘆く。
(4)子どもが自分の指示通りに行動しないとイラつき、何とかしてコントロールしようとする。
(5)子どもの思いを無視し、親の願いや期待を押し付ける。
(6)子どもがやりたいと思っていることを、ことごとく禁止し、聞く耳を持たない。
(7)“こんな悪いことをする子を産んだ覚えはない”と、存在そのものを否定する。
(8)約束を守る、嘘は言わない、忘れ物はしないなど、完璧を子どもに求める。“まあいいよ”はありえず、緊張感の張りつめた家庭を作る。
これらが思い当たる親御さんは、注意する必要があると、立石さんは話します。
「親は自分の考えで子育てをしていますが、怖いのはこれが次第に子どもの思考癖になっていくことなのです。そして、いつしか大人になったとき親が植えつけた考え方に支配されてしまうからです。アダルトチルドレンの人のなかには、例えば、周囲から見ればいい学校を出て、就職して問題がないように見える人もいますが、本人は永遠に満足することがないのです。それどころか、自分の存在をまったく肯定することができず、とても生きづらい。わが子を知らず知らずのうちにそのように追い込まないように気を付けましょう」
わが子が将来“アダルトチルドレン”にならないために、今一度、自身の子育てを振り返ってみてください。
(構成・文/横田裕美子)