●イヤイヤ期の前に、9カ月革命
生後9カ月頃、離乳食器で遊んだり、食べ物を投げ散らかすなどすると、「イヤイヤ期が始まった!」と思うママも多いのですが、これは「9カ月革命」と呼ばれる赤ちゃんの劇的な成長期。それまでは、お世話されるがままだった赤ちゃんが、ママ(他者)との関係を理解し、自分で行動し始める時期です。
「わんわんいるよ」と指をさすと見るなど、相手との関係が少しずつできてきます。食べ物を落とすと、ママが反応するから、何度もやってしまうというような行動も見られます。ことの善し悪しを理解しているわけではなく、親を困らせようというわけでもありません。
●イヤイヤ期は自己表明
1歳半を過ぎて、歩くのも上手になり、手先もだんだんと器用になってくると、子ども自身、「自分でできる」「自分でやりたい」が強くなる時期です。他者と自分は違うということを意識したり、主張するようになる時期で、ここからが本当の意味でのイヤイヤ期です。
とは言っても、まだまだ自分の気持ちを上手に表現できない、相手の気持ちはわからない、周りの状況に合わせられない、そのまま指示を受け入れたくないので、「イヤ」と表現しているのでしょう。
親にとって、この時期の子どもはさながらモンスターのよう。でも、「イヤ」と表現できる、自分の気持ちを主張できるのは大切なこと。今まで、泣いたり笑ったり、親子の関わりがあり、赤ちゃんが気持ちを表すことができる関係ができているからこそ、「イヤ」という表現もできるのです。順調に成長している証です。親としては大変な時期ですが、なるべく心にゆとりを持って乗り切りましょう。
文/高祖常子
NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、認定子育てアドバイザーほか。叩かない子育て講座、子ども虐待防止や、家族の笑顔を増やすための講演活動も行う。3児の母。
NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、認定子育てアドバイザーほか。叩かない子育て講座、子ども虐待防止や、家族の笑顔を増やすための講演活動も行う。3児の母。