●長期スパンでお金を増やしたい人におすすめの「投資信託」
いち企業の業績によって株価が変動する「個別株」への投資は、初心者にとってハードルが高いといえます。一方、「投資信託」では、自分で投資先を決めるのではなくプロに投資先をお任せすることになりますのでハードルが低い投資方法です。
「老後に使うお金を目的とした『投資信託』でのお金の運用は、短期で増やすのではなく長期でコツコツと積み立てることができます。もし一時的に下がったとしても、数十年のスパンで増えればいいわけです。いまは100円から積み立て運用できるネット証券もありますが、ある程度の運用効果を期待するには、1万円くらいから始めた方がいいかもしれません」
銀行引き落としで積立ができるので、給与から天引きして貯金する感覚で運用できるそう。また、「投資信託」は地域の分散が鉄則とのこと。
「日本のバブル期に日本株の投資信託を購入し、その後20年間保有していても増えなかったことからも分かるように(※日本株の投資信託すべてが該当するわけではありません)、長期保有すれば必ず増えるかというと、そういうことではありません。大事なのは、『地域分散』をすること。ひとつの国に限定せず、世界のさまざまな地域の資産に分散して投資するのはひとつのセオリーです。それを守るからこそ、長期投資に効果が出るのです」
●「投資信託」は忙しいママの老後資金対策にもってこい
また、忙しいママは運用にかけるお金も一定額決めておくことがおすすめだそう。
「たとえば、もし5万円くらい運用に回せそうと思っていても、値動きの大きい株式に投資する投資信託だと不安に感じる方もいるかもしれません。その場合は、5万円を2万円にして、金額を調整します。投資信託のなかには『債券』など比較的値動きが安定している資産に投資しているものもありますが、まずは少額から長期的にリターンの大きい『株式』に投資している投資信託で始めてみるといいと思います」
ちなみに、投資信託にまつわるお役立ち情報がのっている、モーニングスターのホームページにある「資産形成のための利回り計算『金融電卓』」で計算してみると、5%の複利運用が達成できた場合、毎月2万円を積み立てると30年間で元本720万円に対し、約1600万を総資産として持つことができる計算になります。
株式は過去長期でみると年平均5%程度の収益率ともいわれています。少額でも長期で運用すれば、老後資金の備えになりそうです。
(取材・文=末吉陽子/やじろべえ)