でも、実はママの服装次第で、毎日一緒にいる子どもに与える影響が大きく変わるそう。それはなぜ? 『「こんな子になってほしい」をかなえる親の服』(サンマーク出版)著者で、印象チェンジコンサルタントの水谷美加さんに聞いた。
●ママの服装で周囲の反応が違うこともある
「例えば、子どもが何か問題行動を起こしたとき、無意識に親を見る人は多いですよね。親を見たときに『ああ、あの人の子だから』という印象を持たれるのか、そうでないかによって、周囲の子どもへのまなざしが変わってくるんです」(水谷さん 以下同)
確かに、子どもが電車のなかで大泣きをしていたとき、「いったいどんな親?」と見てしまう人は多いだろう。
そうした場合、シンプルながらも清潔感のある装いと、同じような服装でも首元がよれて全体に色あせている服だったら?
「ああ、きちんとしつけできていないのでは?」と思うか、「お母さん、困っているみたいだけど大丈夫かな」と思うかの判断基準は、良くも悪くも、母親の服装や髪型などの印象による部分が大きいのにはうなずける。
●ママに向けられる視線は、子どもにも向けられている
「親もこうした場合、周囲の冷たい視線や、冷ややかな空気に気付いていると思います。ただ、それが自分の服や見た目のせいとは思っていない人は多いでしょう。『みんなに見られて恥ずかしい。この子のせいで』と腹を立てたり、『私の育て方が悪いのか』と自分を責めたりするか、周りに声をかけてもらって優しい気持ちになれるかでは、大きな違いがありますよね」
こうした周囲から向けられる視線も、一度だけならあまり影響はないだろう。でも、それが長年にわたって積み重ねられたら…。
「子どもは、周囲の環境の影響も受けて育ちます。親に向けられる視線は、同時に一緒にいる子どもにも向けられます。あたたかいまなざしを周囲から向けられ続けてきた子と、冷たいまなざしを向けられ続けてきた子では、他人に対する印象や関わり方が変わってくる可能性も十分にあり得ると思います」
●相手との関係を意識した服装選びも重要
もちろん、自分の好きな服を着ることを否定するわけではない。でも、状況に合わせた服選びによって、物事がスムーズにいくこともある。
「例えば、保育園や幼稚園で保育士や園長先生に何か要望を伝えたいとしましょう。だらしない服はもちろんダメですが、かといって、スーツでガチガチに固めていくと、相手が身構えてしまい、警戒してしまいます。さらには 『面倒くさい親』と思われかねません。こういうときは、清潔感がありつつも、少しやわらかい印象を持たれる服にすると、相手も対話しようという気持ちをもってくれます」
たかが服、されど服。服によって相手に与える印象が大きく変わることを考えて、どうせなら子育てに「服の力」を借りてみては?
(田幸和歌子+ノオト)