●気をつけたい夫の変化5カ条
1.怒りっぽくなる
「イライラや不安を抱えていると、人は怒りっぽくなります。原因が家じゃなければ、当然社会。会社の上司もしくは部下? そういうイライラは、家庭内に向くことが多いです」
2.食事をしない
「食が細くなる、ほとんど食べようとしないなど、人は不安を抱えると、食べる欲求に如実に表れます。そんな時は、こちらで用意したものを食べさせるのではなく、今、彼が食べたいものを聞いて用意してあげて下さい」
3.眠れない
「横になっていても、あっちへこっちへ向きを変えたり動いたりする。布団やベッドの上で落ち着かないなど、こうなると、脳は興奮状態で眠れない状況になってしまいます。睡眠不足は生活に支障をきたすため、特に注意が必要。会社での夫の仕事ぶりをさらに悪化させてしまう可能性もあります」
4.部屋から出ない、外に出ない
「積極的に外に出ようとしない。1人で何もかも背負い込んでしまう人は、家に帰って部屋に入るとほとんど出てこなくなるなど、引きこもりになりがち。時折、温かいお茶などを持っていき、ゆったりと近づいて優しく声をかけてあげて下さい。夫が嫌そうでなければ、何も言わず寄り添ってあげて欲しいと思います。トゲトゲしていた夫の心も安らぐでしょう」
5.会社内の愚痴やイライラが多くなる
「この場合、家族全員が夫のつらさに引き寄せられてしまうので、家庭内が重苦しい雰囲気になりやすいです。誰よりも一番側にいる妻の負担が大きくなるので、妻自身のメンタルが大事になります。妻までもがストレスをため込んでしまわないようになるべく意識。大切な友だちに気持ちを吐き出したり、夫を支えるつらさを分かち合ってもらうようにしてみましょう。家庭内の明るさを失わないように…」
●「愚痴を言ってもいいんだ…」と思える夫婦関係に
それでは、愚痴をまったく言えない夫に対し、妻はどう配慮すればよいのだろうか。うまく悩みを聞きだす方法はあるのか。
「夫にとって、愛する妻は特別な存在です。負担や迷惑をかけたくないし、カッコもつけたい。実は、愚痴や不満を言わない人が圧倒的に多いのも事実です。本人が言いたがらない場合は、無理して聞き出す必要はありません。ただ、“私はいつもあなたの味方だよ”という思いを伝えるようにして下さい。“私には迷惑をかけてもいいんだよ。そのためのあなたの妻なんだから…。私もあなたのために何かしたい。今のあなたをもっと愛させて下さい。私はいつでもあなたの味方です”そう言えたら素晴らしい妻ですね。夫の信頼も、今以上に得られるはずです」
「大切な言葉ほど夫の目をしっかりと見て、柔らかく優しく言ってあげてほしい」と語る小川氏。
「家庭で会社の話をしても妻の愛を損なわない旨を伝え、夫に“愚痴を言ってもいいんだ”という安心感を与えてあげて下さい。その後、夫が悩みを吐露するか否かは本人次第ですが、妻に思われて嬉しくない夫はいません。その言葉は彼らにとって、とても救いになるはずです」
夫が不調な時、心配ゆえの行動で、「何とかしなきゃ!」と思い悩む妻は多いだろう。だが基本は夫に任せ、妻はメンタルのサポートと健康面をしっかり支えて! 「あなたは一人じゃない…」という妻の愛が伝わり、夫が安心感を得られれば、二人三脚でどんな試練をも乗り越えていけるはずだ。
(取材・文/吉富慶子)