●家の鍵をなくしたときの緊急時の連絡先や居場所を決める
まずは鍵を持たせる前に、鍵の扱い方や開ける際の注意点など、子どもと一緒にルールを決めよう。その際に、なくしたときの対処法についても話し合っておく必要がある。
「親や親類など、緊急時の連絡先を子どもにあらかじめ伝えておき、鍵をなくしたときに連絡をつけられるようにしましょう。また、外で紛失して家に入れないときのために、近所の人や友だちの家など、いざというときの居場所を作っておくこともポイントです」(舟生さん 以下同)
住んでいる地域に顔見知りが多い状況は、子どもへの犯罪の抑制にもなるといわれている。近所の人や防犯ボランティアにあいさつをしたり、地域のイベントに参加したりして、周囲と関わりを持つようにすることが子どもを守ることにつながる。「子どもがひとりで留守番することもあるから、いざというときにお世話になるかもしれない」と伝えておくのもいいだろう。
●子どもが家の鍵を「なくさない」持ち歩き方
子どもに鍵を扱わせるときに、気がかりなことのひとつが紛失だ。しかし、「鍵をなくさないように」と言葉で伝えるだけでは心もとない。ポイントは、鍵の管理方法だ。
「私が推奨するのは、紐やチェーンなどをつけて、ズボンのベルト通しにくくりつけてポケットに入れる方法です。鍵にキーホルダーをつけても、そのままポケットに入れるだけでは、なくす原因にもなってしまいます。スカートやポケットのない服の場合は、紐やチェーンに鍵を通したら、ランドセルのなかにくくりつけておくといいでしょう」
鍵を持ち歩く際には、なくさないことに加えて、「ほかの人から見えない」ことも重要。ジャラジャラと見える場所につけるのではなく、ポケットやカバンのなかにつける。実は、舟生さん自身も実践している方法とのこと。
「鍵を単品で持つのは、大人の私でも怖くてできません(笑)鍵の取り出しやすさや歩くときに邪魔にならないかなどを子どもと相談して、しまう場所を決めるといいですよ」
そして、万が一子どもが鍵をなくしてしまったら、きちんと叱ることも大切だ。
「防犯は命に関わること。頭ごなしに怒るのは効果的ではありませんが、『知らない人が鍵を拾ったら、悪用される可能性もある』というように、ルールを守らなかったら起こりうることを子どものレベルに合わせて必ず話しましょう」
●子どもに教えておきたい家の鍵は○○に置かない!
鍵の扱い方については気にしているものの、意外と忘れがちなのが家のなかでの鍵の置き場所。鍵を置いてはいけない場所があるそうだ。
「外部の人の目に入りやすい玄関や玄関から見える場所には置かないようにしましょう。鍵を渡す前に家族で置き場所を決めておけば、家のなかで鍵が見つからないということも防げます」
子どもに鍵を持たせることは、親である私たちの防犯意識も問われる。改めて防犯について学び、家族で考えていこう。
(畑菜穂子+ノオト)