●“わが子に5万円もスマホ課金されていた”報告も!
「年子なのですが、長男が6年生になったのと同時に、2人同時にスマホを買い与えてしまいました。当時は『パズドラ』が流行っていて、夏休みの間も、息子たちは常に『パズドラ』が手離せない状態に陥っていました。最初は時間を決めてやらせてはいたものの、自営業で手が離せないことも多く、ついついスマホをやる時間が長くなって…」(Aさん 以下同)
Aさんは、大手貿易会社から独立した夫と共に、自宅で貿易関係の仕事をしている。今では中学生になった2人の息子は小学校から私立へ。地元からだいぶ離れた学校に進学させたため、近所に遊ぶ友だちがいなかったという。
「兄弟しか遊ぶ人がいなかったので、長い休みはちょっとかわいそうでしたね。私も夫の仕事を手伝っているため、なかなか相手にしてあげられなくて、地元で遊ぶ子どもたちを見ると“あーやっぱり、公立に入れてあげればよかったかな~”と後悔したことも…。そんな罪悪感から、子どもたちに早々とスマホを買い与えてしまったようなところがあります」
やがて息子さんたちは、『パズル&ドラゴンズ』のアプリをダウンロードし、夢中に…。『パズドラ』は、モンスターを育ててパズルでバトルする新感覚のパズルRPGで、数年前から、子どもから大人まで幅広いスマホ世代を虜にしているゲームアプリだ。
「子どもが課金するなんて想像もしていませんでしたし、てっきり無料の範囲内で遊んでいると思っていました。私もお金にアバウトな性格なので、クレジットカードの明細に目を通すことをしていなかったのが悪かった。何となく、日常で使う銀行口座の残高がいつも以上に減っているな~と思ったら、クレジットカードの引き落としが、9月は14万円、10月は15万円もされていたのです。“詐欺に遭ったのかな?”と不安になり、あわてて明細に目を通したら、2日置きくらいに、約5000円、約7000円など、身に覚えがない購入履歴があったのです。これはひょっとして…とすぐにピンときました」
息子たちに「『パズドラ』で課金しているの?」と問い詰めたところ、あまりにも怒っているAさんを見て怖くなったのか、最初は「知らない」の一点張りだったそう。そのうち、2人揃ってワンワン泣き始めたという。
「どうやら私のお財布から勝手にクレジットカードを抜いて、データをスマホに入れ、『パズドラ』の課金をしていたようです。 年齢確認もウソをついていたようで、計算したら、1カ月当たり、4~5万円も使われていました。情けないのと、息子たちを放置しすぎた自分にも腹が立ちました。何とかその分を節約したいと思い、この年の旅行は、新幹線から車移動に変更してやりくりしました」
●クレジットカードのメール機能を使って課金を防止
この一件で懲りたかと思いきや、長男は、中学に入ってもスマホのゲームに夢中で、年に1度くらいは同じような課金トラブルを起こすという。
「その度に夫が怒りますが、どうやらあまり懲りていない様子。ついに私は、財布ごと毎日どこかへ隠さないといけない状態に…。息子を信じることができない自分が悲しいし、いまだにクレジットカードの明細を見る時、毎月のように課金されていないかドキドキしてしまいます。我ながら情けなく思います…」
この件について、酒井氏からアドバイスをもらった。
「課金した分、お母様がやりくりしているという家計の事情を子どもたちに見せたことは良かったと思いますが、ご長男はまだ懲りていないとのこと。繰り返す場合は、やはり親として1度はスマホを取り上げるなど、実力行使に出るしかないと思います。あと、クレジットカードには、使う度にお知らせが来る“メール機能”のようなものがあるので、そちらの設定も忘れないことが重要ですね。この設定さえきちんとしていれば、5万円までいかない手前で息子さんに注意を促し、高額課金を食い止めることができます。デジタルに関しては、親よりも子どもの方が情報がはるかに進んでいますし、今は様々な課金の方法があるので、親御さんがしっかりとした対策をせずにいると、悪循環に陥ります。息子さんを信じ切れずに財布を隠す自分が情けない…とおっしゃる気持ちは痛いほどわかりますが、未然に防ぐためには、親御さんも様々なサービスを駆使して、お子様が課金トラブルに巻き込まれないように勉強しておく必要があるかもしれません」(酒井氏)
クレジットカードの機能にも、使い過ぎを防止するための様々な設定がある。この夏、子どもたちに高額課金されてしまった…という悲劇に陥らないためにも、まずは母親が徹底した防止策をとることが先決だ!
(取材・文/吉富慶子)