●子どものゲーム課金に、時には実力行使に出ることも必要!
「本音を申しますと、昔は子ども時代に、近所に捨てられていたアダルト雑誌をみんなで読んだり、お母さんのお財布から小銭をちょろまかしたりと、例えスマホがなくても、そういう意味でのトラブルはよくありましたよね。それが時と共にデジタル化が進み、スマホでちょっとしたトラブルが起きると、それが高額であるがために大きく事件化されてしまう世のなかになってしまった。大人にとっては、大金が絡むので大事件ですが、子どもたちにとっては、前で挙げた昭和時代の些細なイタズラくらいの意識だと思います。かといって、課金することの怖さを教えておかないと大変なことになりますので、夏休み中、お母様方にも勉強して頂ければ…と思います」(酒井氏 以下同)
【課金を見つけた場合の親の対処法】
1.親子で話し合ってルールを決める
「本来は、スマホを与える前に話し合いの場を持ち、時間制限や課金した場合のペナルティ、部屋に持ち込まないなど、ルールを書き出して、目につくところに張り出すくらいのアクションが必要です」
2.2度、3度と続くようであればスマホを取り上げる
「2度目となったら、もうおどしは禁物。実際にスマホを取り上げ、“あっ、本当にとりあげるんだ…”という感覚を子どもに覚えさせましょう。親の覚悟、断固とした姿勢を見せることが重要です」
3.ゲーム中毒がいかに危険であるかを教え、伝える
「まず、子どもに強く言えないという背景に“お母さんたちがスマホゲームに依存している”ということが挙げられます。子どもに注意を促すのであれば、まずはお母さんがスマホゲームから脱却しましょう。そして、友人関係や生活自体に支障が出る、家に引きこもりがちになる、睡眠不足で体を害す…など、ゲームによって自分をコントロールできなくなることの怖さを、きちんと教えることも大切です。反抗期で反発が強い場合は、ゲーム依存の怖さを手紙にしたためるなどしてもいいかもしれません」
4.お小遣いを減らすなどしてペナルティを与える
「例え親のクレジットカードであっても、財布から勝手に取り出すことは罪だということを教え、合わせてペナルティを与えましょう」
●生活に支障をきたすようなら“依存”の可能性も…
学校に遅刻する、ご飯の時間を守らずにスマホをする、友だちと遊ばなくなる…など、生活に支障をきたす場合は、すでに依存の可能性が潜んでいることを忘れてはならない。
「親が話して聞かせ、本人が反省するようであればそれほど心配することではありません。ただ、生活に支障をきたす場合、最終手段としては、専門家の指示を仰ぐことも考えなくてはなりません。そんな最悪なケースを防ぐためにも、親御さんはスマホを与えた責任を持って、子どもには毅然とした態度で接してほしいと思います。例えクレジットカードの番号を変えたとしても、お子様が懲りずに財布からデータを抽出してしまえば何の意味もありませんし、ゲーム課金以外にも、アダルトサイトへのアクセス、SNSで知らない人とつながる…など、スマホには多くの危険が潜んでいます。いずれにしろ一番大切なのは、親御さんの管理、そしてルールが守れない時は、“子どもに使う権利を与えない”という強い姿勢です」
「取り上げるわよ!」というおどしだけでは子どもは罪を感じずに、また課金を繰り返してしまうケースもあるという。本来は、スマホを与える際に親子で話し合い、きちんとしたルールを設けるべきだが、それができなかった家庭は、この夏、あきらめずに親子で話し合ってみてはいかがだろうか。
(取材・文/吉富慶子)