●気持ちを話しやすい親は、“子どもの気持ちに寄り添って、受け止めてくれる親”
「話をしやすい親というのは、一人よがりではなく、子どもの気持ちに寄り添って受け止めてやれる親です」
そう話すのは、『一人でできる子になる テキトー母さん流子育てのコツ』の著者・立石美津子さん。では、話しやすい親になるコツとは?
1)別のことをしながら話さず、ちゃんと話を聞く
「子どもが訴えているのに、何かしながら半分上の空で聞かれたら、“なんかちゃんと話を聞いてもらえてない。もういいや…”と、話すことをあきらめてしまいます。親御さんも忙しい日常とは思いますが、そのときは少し手をとめてしっかり向きやってやりましょう。どうしても手が離せないときは、『これが終わったら聞くからね』と、ちゃんと聞く気持ちがあることを伝えることが大事です」(立石さん 以下同)
2)過剰に反応せず、淡々と話を聞く
「話を聞くときは、矢継ぎ早に問い詰めたりせず、淡々と聞きましょう。そして、子どもが言ったことに親が子ども以上に過剰に反応しないこと、動じないことも大事です。そうでないと、安心して気持ちを吐露できませんよね? どんなことでもドンと受け止めてくれるという雰囲気づくりをしましょう!」
3)話の腰を折らない
「子どもが『今日、〇〇君に意地悪されて…』と、まだ話が終わっていないのに最後まで聞かず、『そんなの大丈夫、知らんぷりして気にしなきゃいいのよ。明日になったらいつも通りになるわよ』と、途中で話をもっていかれたり一方的に結論を言われてしまうと、話の腰を折られた気がしますし早合点された感じもしますね。こうなると、“もうママに話したってわかってもらえない”となってしまいます。まずは、相手の気持ちがスッキリするまで、言いたいことを全部聞いてやりましょう」
4)子どもの言葉を反復する
「カウンセラーの技法に、相手の言葉を最後まで聞いて反復する“能動的聞き方(傾聴ともいう)”があります。例えば、子どもが『今日、学校で意地悪されてすごくイヤだった…』と言ったら『意地悪されてすごくイヤだったんだね…』と言葉をそのまま鳥のオウムのように返してやり、子どもの気持ちに寄り添う会話術です。そうすると、子どもは“理解してもらえた”“共感してもらえた”“不安な気持ちをわかってくれた”と救われるのです」
●寄り添って共感してほしいのは、大人も子どもも同じ
さらに、こういう時の子どもの気持ちや立場を理解するのに一番わかりやすいのは、自分自身の経験に当てはめてみることだと、立石先生は話します。
「例えば、こんなことありませんか? 夫の帰宅後、妻が『隣りの奥さんがこう言った、ああ言った…』『幼稚園でこうだった、ああだった…』と、愚痴や悩みを口にすると、夫は『で、どうしたんだ?』とすぐ結論を求めてきたり、他のことをしながら上の空で聞いていたり、正論を言って説教をはじめたりしませんか? そうすると、“もうこの人に話してもしょうがないわ”と、話すことをやめてしまいますよね? 妻は結論がほしいのではなく、話を聞いてほしい、共感してほしいだけなのに。子どももそういう時があるということをぜひ知っておいてください」
わが子が何か愚痴ったり悩みを打ち明けてきたときは、悲しい気持ち、つらい気持ちに寄り添って、ひたすら相手の話を聞いてやりましょう。
(構成・文/横田裕美子)