●よくある猫背治しは間違い!
子どもの姿勢が悪いと「姿勢を正しくしなさい」と注意して、常にいい姿勢を意識させるのは、あまり実りのない場合が多いという。姿勢から意識を外した瞬間、楽な猫背に戻ってしまうからだ。以下のようなよくある猫背治しの方法も、間違っていると小林先生は言う。
・猫背矯正マスターが指南! 間違った矯正ストレッチ3カ条
1.胸を張るエクササイズを繰り返す
2.肩甲骨を寄せる運動を毎日行う
3.いつもアゴを引くように心がける
「この3つのエクササイズの目的は『背中全体が丸い』『肩が前に出ている』『顔が前に出ている』といった猫背の3タイプの目立った特徴を手っ取り早く改善しようというところにあります。丸い背中や突き出た顔に気を取られて、そこだけ手っ取り早く治そうとしても、それらのエクササイズは有効とはいえません」(小林氏 以下同)
●10秒でできる「顔引っ込め」ストレッチ
「今の子どもは、スマホの影響か顔が前に出ているタイプが多いですね。カバンを背負って顔が前に出ている子どもがよくいます。顔が前面に出ているタイプの猫背は、頚椎の異常によって慢性の肩こりや頭痛に悩まされている子どもも少なくありません。このタイプにお勧めのストレッチが“顔引っ込め”です。猫背を治して本来の頭の正しいポジションを教えるストレッチです」
やり方は簡単。
◆顔引っ込めストレッチ
1. 思いきり顔を突き出す
2. ゆっくり10秒かけて正しい位置へと戻す。
「戻すときは、突き出していた顔を胸の上に乗せるようにイメージでやるといいですね。骨盤を整えるストレッチと併用して、毎日続けてみてください。子どもが猫背を治すのに適しているのは、小学5年生。やっぱりこの時期は、理解できる力を持っていますから、意識しながら生活できます。早い子どもなら2〜3カ月で猫背が治ります」
姿勢が気になる親子は、この夏ぜひやってみたい。10秒ストレッチでピンとまっすぐな体をゲットしよう!
(取材・文/谷亜ヒロコ)