●恋愛はストレスケアにもなる! ただし妄想に留めておくべき
山名さんによると、恋はある種のストレスケアになるため、恋愛願望の高まりは、ストレスの溜まり具合に関連しているケースが少なくないそう。
「たとえば、恋愛映画やドラマを観てドキドキしたり、自分を重ねてみたりするのは、自分の心を恋愛疑似体験させることで心を動かしストレスケアをしている状態です。そのため、常日頃から自分を大事にして、心を満たしておかないと、いつか爆発してリアルな世界でも恋愛に走ってしまうことになりかねません」(山名さん、以下同)
日頃から心が満たされていない人ほど“火遊び”では済まず、燃え上がるような不倫の道へと足を踏み入れてしまう可能性が高いとようです。それで一時的に心が救われ、気持ちが潤い、夫や子供に対してもやさしくなれる側面はあるかもしれません。しかし…
「そもそも法律で不倫は認められていないということもありますが、バレてしまったときに家族を傷つけてしまうこと、その先にある不幸な結末にまで思いを巡らせるべきではないでしょうか? 道ならぬ恋に溺れてしまう前に、もう一度身近な人の顔を思い浮かべてみてください」と山名さん。
●不倫を留まらせてくれるのは、やはり家族の存在
恋愛願望加速のストッパーになるのは、やはり家族。何より夫の協力が欠かせないと言います。
「子育てや家事などに追われると、自分の時間が持てずにストレスも溜まってしまいます。それによる心の渇きは、たくさんの人が感じていることです。『なんで私ばかり子育てしなきゃいけないの?』といったイラだちを恋愛や不倫で埋めようとする気持ちは理解できますが、それで家族を裏切っても結果的に自分の心は満たされません」
実際に、不倫に走る一歩手前で、「夫が良い人過ぎるから裏切れない」と留まる人も少なくないようです。
「ギリギリのところで夫の存在があって留まれた人や、子どもが可愛くて足を踏み外さずに済んでいるという人もいます。ただ、夫との関係がこじれたり、子どもが反抗期になったりすると、心が渇いてしまって、恋愛に傾く可能性が高くなると思います」
周囲の変化に流されず、自分をコントロールするために大事なのは、幸せを察知する感受性を高めることだと言います。
「幸せの尺度は人それぞれ。何が幸せなのかは自分で決めることです。だからこそ、幸せの感受性を高める努力をして欲しいと思います。小さい幸せでもたくさん集めて心を満たすことができれば、それがストレスケアになります。たとえば、何か趣味を作ってみるとか、習い事にチャレンジしてみるのは効果的だと思います」
誰かに恋しているときの高揚感は他には代えがたいもの。しかし、同時に夫や子どもは何より掛け替えのない存在であることも確か。それを踏まえると、恋愛以外で得られる幸福感を探すことに目を向けるべきなのかもしれません。
(取材・文=末吉陽子/やじろべえ)