● 高音を出す風船トレーニング
合唱のとき音程をはずしてしまう子どもには、どんなトレーニングをしたらよいのだろうか?
「音程をはずしてしまいがちな方でも、全部のメロディーを間違えるということはあまりありません。だいたい歌の中の一部のフレーズの音程がズレてしまうパターンです。特に、高い声が出ないため歌いやすい中低音で歌ってしまい、音程がズレてしまうことが多いですね。自分が出すことが出来る音程の幅、つまり音域が狭いのです。そういう方には、高音を出せるようにし、音域を広げてあげるトレーニングをします」(上野由紀氏)
「高音を出すためには、声帯に勢いよく息を当てる必要があります。そのためには腹式呼吸が必要なのですが、理論理屈ではなかなかわかりにくいですよね。そこで使う道具が『風船』です。つまり高音を出すために必要な呼吸が、風船をふくらますことでつかめるようになるのです」(上野梨紗氏)
【風船トレーニングのやり方】
1.風船を口に咥える
2.鼻から息を吸う
3.「フッーーー」と勢いよく風船をふくらませる
4.ふくらんだらいったん息を止める
5.風船から口を離した瞬間に「アッーー!!」と高くて大きい声を出す
● 大きな声を出すストロートレーニング
声を出すことが恥ずかしく、やっと出した声も小さくてボソボソ。そんな子どもに自信を持って大きな声を出させるにはどんなトレーニングをしたらよいのだろうか?
「音痴の方は、自信がないため小さくボソボソとした声で歌うことが多いです。口もほとんど動かず、のども開いていません。ハキハキと明瞭で大きな声を出すためには、ストロートレーニングを行います。ストローを噛むことでのどが開き、口の周りの筋肉が鍛えられ大きな声が出せるようになります」(上野由紀氏)
【ストロートレーニングのやり方】
1.飲み口が曲がるようになっているストローを1本用意する
2.折り曲げた部分を前歯で噛む
3.「オア・オア」「オエ・オエ」「ウエ・ウエ」「ウイ・ウイ」と大きな声で発声
「発声する時のポイントは、「オ」と「ウ」の音は口を思いっきり縦に広げ、「ア」「エ」「イ」の音は口を思いっきり横に広げることです。縦・横・縦・横と口を大きく動かしましょう」(上野梨紗氏)
誤飲などの可能性があるので、このトレーニングをやるときは、必ず親が見ていること。大きく明瞭な声、高音が出しやすくなれば、子どもも自信を持って歌えるようになるだろう。このトレーニングは、1日5分程度を続けることで効果が表れるとのことなので、1度試してみてはいかがだろうか。
(取材・文/谷亜ヒロコ)
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お話をうかがった人
上野ヴォーカルアカデミー三代目校長。発声・発話方法、音痴矯正、などのレッスンを一般向けに指導するとともに、元プロ歌手の経験を活かし、歌手・声優・俳優のプロを目指す人たちの養成も行なう。2万人以上の指導実績。本の出版、講演活動など、ヴォイストレーナーとして幅広く活躍中。テレビ・雑誌等メディア多数出演。
上野 梨紗(左)
上野ヴォーカルアカデミー講師。幼少期から二代目校長上野直樹に師事。バンドボーカル歴10年、YAMAHA主催TEEN’S MUSIC FESTIVAL入賞。中央大学卒業後株式会社みずほ銀行就職。法人営業経験を活かしビジネス向け声の出し方等を指導。本の編集、講演活動、WEBマーケティング業務に携わる。
上野ヴォーカルアカデミー三代目校長。発声・発話方法、音痴矯正、などのレッスンを一般向けに指導するとともに、元プロ歌手の経験を活かし、歌手・声優・俳優のプロを目指す人たちの養成も行なう。2万人以上の指導実績。本の出版、講演活動など、ヴォイストレーナーとして幅広く活躍中。テレビ・雑誌等メディア多数出演。
上野 梨紗(左)
上野ヴォーカルアカデミー講師。幼少期から二代目校長上野直樹に師事。バンドボーカル歴10年、YAMAHA主催TEEN’S MUSIC FESTIVAL入賞。中央大学卒業後株式会社みずほ銀行就職。法人営業経験を活かしビジネス向け声の出し方等を指導。本の編集、講演活動、WEBマーケティング業務に携わる。