冷凍した方が栄養価の上がる野菜は?

冷凍した方が栄養価の上がる野菜は?

第1回 栄養価もアップ!?一枚上手の保存テク
野菜の保存といえば、冷蔵庫の野菜室に入れるが一般的。しかし、なかには冷凍することによって栄養価の上がる野菜があり、その効果は今、世界中の様々な機関で研究されているのだとか。

一体、どんな野菜が冷凍によって栄養価が上がるのだろうか? 栄養士で野菜ソムリエの北川みゆきさんに話を聞いてみた。

野菜の3分の2は冷凍で栄養価アップ!?

「英チェスター大学とレザーヘッド・フードリサーチの最新調査によれば冷凍保存によって栄養価が高まる野菜は全調査の約3分の2となりました。野菜は収穫されてから少しずつ栄養素を失っていきます。そのため、栄養素が衰える前に冷凍したほうが、生のまま保存よりも栄養価が高くなるのです。調査の結果、冷凍することでビタミンCやファイトケミカルと呼ばれる抗酸化物質、うま味成分であるグルタミン酸の含有量が増加した野菜もありました。栄養価がアップした代表的な野菜をいくつか挙げてみましょう」(北川さん、以下同)

●ブロッコリー
栄養素UP:ビタミンC、ルテイン(緑黄色野菜に含まれる色素成分)、βカロテン(4倍)

●ニンジン
栄養素UP:ルテイン(3倍)、βカロテン(2倍)、ビタミンC、ポリフェノール

●ブルーベリー
栄養素UP:ビタミンC、アントシアニン

●きのこ類
栄養素UP:グルタミン酸(うま味成分)、アスパラギン酸(疲労回復が期待できるアミノ酸)

特にうまみ成分が増えるきのこは、冷凍の効果が栄養に現れやすいという。また、加熱調理によって、うま味成分を分解する酵素の働きを抑制してくれるのだ。

冷凍した方が栄養価の上がる野菜は?

野菜を冷凍する際のポイントは?

実際に冷凍するときは、どんな点に気をつけるといいのだろう? 単に自宅の冷凍庫に入れるだけでいいの?

「ポイントは、急速冷凍です。冷凍庫内の温度がマイナス18度以下になるよう、設定温度を『強』にしておきましょう。そして、冷凍したいものを熱伝導率の高いアルミホイルに包んだり、アルミトレイ、お菓子の缶などに入れたりすると、より効果的ですよ。短時間で一気に冷凍することで、野菜本来のおいしさを閉じ込め、栄養を引き立てられます!」

忙しい毎日とはいえ、子どもにはしっかりと栄養のある野菜を食べさせてあげたいもの。「野菜の冷凍保存」は、いざというときのストックにもなる。ぜひ今日からお試しあれ!
(根岸達朗+ノオト)

お話をお聞きした人

北川みゆき
北川みゆき
野菜ソムリエ
NPO法人日本食育ランドスケープ協会理事。栄養士、米国NTI認定栄養コンサルタントほか、食の資格を多数保有。美と健康を叶えるためのセミナーや執筆、食育活動を中心に活躍。WEBサイト「スキンケア大学・美ログ」にてコラムを連載中
NPO法人日本食育ランドスケープ協会理事。栄養士、米国NTI認定栄養コンサルタントほか、食の資格を多数保有。美と健康を叶えるためのセミナーや執筆、食育活動を中心に活躍。WEBサイト「スキンケア大学・美ログ」にてコラムを連載中