入れ歯のストレス解消法
ここまで入れ歯によるストレスの原因や、合わない入れ歯を使い続けた場合のリスクについてご紹介しました。
それでは、入れ歯のストレスを減らすためにはどのような解消法があるのでしょうか。以下で解説します。
自費の入れ歯を製作する
入れ歯のストレスを軽減する方法の一つとして、自費の入れ歯を製作することが挙げられます。保険の入れ歯は、使用できる素材や治療法に制限があるため、耐久性や審美性、機能性に限界が生じやすいのが現実です。
一方、自費の入れ歯は素材や工程を自由に選べるため、より耐久性があり、見た目や機能によりこだわった入れ歯を作ることができます。これにより、入れ歯による違和感やストレスを軽減し、快適な生活を取り戻すことが期待できるでしょう。
ただし、自費の入れ歯は費用が高く、歯科医院によって選べる治療法や素材が異なる点には注意が必要です。また、自費の入れ歯であってもストレスを感じる可能性はあります。自身のライフスタイルや費用対効果をよく検討して選ぶとよいでしょう。
インプラント治療を検討する
インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込み、上部構造を装着するため、天然歯とほぼ変わらない感覚で食事や会話を楽しめるとされています。固定式なので、入れ歯のようなズレや違和感がなく、美しい口元を保てるのもメリットです。
また、ほかの歯に負担をかけないため、お口全体の健康を維持しやすく、長期間使用できるのも魅力です。
しかし、インプラントは自費診療のため治療費が高く、外科手術を伴うため治療期間も長くなります。治療を検討する際は、信頼できる歯科医師のもとでしっかりとカウンセリングや検査を受け、納得したうえで進めることが大切です。
自費の入れ歯の種類
入れ歯によるストレスを軽減する方法をご紹介しましたが、自費の入れ歯にはどのような種類があるのかご紹介します。
金属床義歯
金属床義歯は、白金加金やコバルト、チタンなどの金属を使用した入れ歯です。金属には熱伝導性があるため、食事の際に食べ物の温度を感じられ、より自然な食事体験が期待できます。
また、生体親和性が高い金属を使用しているため、身体に馴染みやすく、入れ歯を使用する程歯茎にフィットしやすくなり、痛みも出にくくなるとされています。
さらに、金属は腐食しにくく、長期間安定して使えるという利点があります。金属床義歯は薄くて頑丈なため、軽量で口腔内にしっかりと密着し、衛生的な状態を保ちやすいのも特徴です。
ほかにも、薄く作る事ができるので発音もしやすくなります。
金属アレルギーの方にはチタン製のものも対応可能とされていて、見た目や機能性を重視したい方におすすめです。
ノンクラスプデンチャー
ノンクラスプデンチャーは、金属のバネ(クラスプ)を使わずに装着できる部分入れ歯です。弾力性のあるプラスチック素材を使用しているため、金属を使わなくても安定感を保てるとされてます。
笑ったり話したりしても入れ歯が目立ちにくく、審美性を重視する方におすすめです。また、クラスプがないことで噛んだ際に歯茎への負担が軽減され、痛みが出にくいというメリットもあります。
ノンクラスプデンチャーは軽量でコンパクト、しかも割れにくいので扱いやすい入れ歯ですが、入れ歯の範囲が広い場合には適用できないケースもあります。
コンフォートデンチャー
コンフォートデンチャーは、やわらかい生体シリコン材を入れ歯の内側に使用したタイプの入れ歯です。このシリコンはクッションの役割を果たし、噛む際の力を吸収して歯茎への負担を軽減するため、痛みを感じにくいとされています。
また、シリコンの柔軟性により入れ歯が歯茎にぴったりと吸着し、しっかりと安定するため、食事や会話の際にも安心感が期待できます。通常の硬い入れ歯と比べても吸着力が高く、噛む力も増すため、痛い・噛めないといった悩みの解消にもつながるでしょう。
なかでも歯茎の粘膜が薄い方や骨の突起があるために痛みを感じやすい方にとって、コンフォートデンチャーはおすすめの選択肢です。
コーヌスクローネデンチャー
コーヌスクローネデンチャーは、歯を土台にして被せるタイプの入れ歯で、通常の入れ歯と違いバネを使わずに装着します。
歯の土台に装着した被せ物と入れ歯側の被せ物が金属同士でぴったりと密着することで、しっかりと固定されます。そのため、入れ歯がずれる心配が少なく安定感が高いのが特徴です。
また、金属のバネがないため、入れ歯だと気付かれにくいメリットもあります。さらに、支えとなる歯に負担をかけないため、残存歯を保護しつつ使い続けられる可能性も高くなります。
マグネットデンチャー
マグネットデンチャーは、磁石の力を利用して固定する入れ歯です。残っている歯の根に磁性金属を取り付け、入れ歯側にも対になる磁石を組み込むことで、強力な磁力でしっかりと固定されます。
入れ歯がずれたりガタつくことがなく、安定感のある装着感が期待できるほか、金属部分が外から見えないため、自然な見た目を保ちやすいのも特徴です。歯が少ない方でも適用できる可能性があります。
ただし、歯の根がない場合はインプラントを埋め込む必要があることに注意が必要です。
インプラントオーバーデンチャー
インプラントオーバーデンチャーは、インプラントと入れ歯を組み合わせたタイプの入れ歯です。顎の骨に2~6本程度のインプラントを埋入し、その上にアタッチメントを装着して入れ歯を固定します。
インプラントがしっかりと支えとなるため、入れ歯がずれたり外れたりする心配が少なく、安定した噛み心地が期待できます。
また、歯茎への負担が軽減され、痛みも感じにくいとされています。部分入れ歯・総入れ歯のどちらにも対応可能とされていて、自身で取り外しできるため清掃やメンテナンスもしやすくなります。
配信: Medical DOC