歯科用レントゲンや医療用のCTとの違い
歯科用CTと歯科用レントゲンの違いを教えてください。
歯科用CTと歯科用レントゲンでは、画像の精度に違いがあります。歯科用レントゲンは、二次元の平面画像で白黒の表示です。一方歯科用CTは、三次元の立体画像で、あらゆる角度からの撮影が可能です。歯科用レントゲンでは、白黒表示の色の濃さで歯や顎の骨などの状態や病状を把握しなければなりません。場合によっては、歯肉を切開し歯や顎の骨の状態を直接確認する必要があります。
しかし、歯科用CTでは立体的にさまざまな角度からの画像をコンピューターで解析するため、とてもきれいな画像を撮影できます。そのため、身体への負担が少なくてすむのです。歯科用レントゲンではわかりづらい状態でも、歯科用CTなら正確に歯や顎の骨の状態を把握できます。
歯科用CTと歯科用レントゲンの費用はどのくらい違いますか?
歯科用CTは、保険適用外になることが多く、相場は15,000円(税込)前後です。抜歯のための撮影や、病気治療で保険適用になるものは、3,500円(税込)前後となります。また、歯科用レントゲンは診察や検査と一緒に行うことが多く、トータルで3,000円(税込)前後となります。治療内容や目的によって保険適用か自由診療か変わるので注意が必要です。
自由診療では保険が適用されず、全額負担になるので診察の際は歯医者で確認をしましょう。なお、歯列矯正やインプラント治療のための事前検査などのCT撮影は自由診療となります。審美性に関わるものも自由診療の対象となるので、注意しましょう。
歯科用CTと医療用のCTの違いを教えてください。
歯科用CTと医療用のCTの違いは、機械自体の大きさや、画像を撮影する範囲の違いなどがあります。下記に違いをまとめました。
解像度の違い
被ばく線量の違い
撮影時間の違い
機械の大きさによる設置面積の差
導入費用や維持費の差
歯科用CTは医療用のCTと違い、装置がコンパクトで画像の撮影領域が小さいため、解像度は高くなります。また、被ばく量も撮影領域が医療用のCTに比べると小さいため少ない量です。
撮影時間は、装置の大きさの違いにより、コンパクトな歯科用CTの方が短くなります。歯科用CTは、歯科治療に特化した検査を行うため、撮影範囲が限定されます。医療用のCTでは身体の広範囲の画像を撮影し、診断につなげているため、全体的に設備が大きく被ばく量が多く撮影時間も長いです。
いずれも病気の確定や治療方針などを決定するために必要な検査となっています。
編集部まとめ
歯科用CTとはどのようなものなのか解説しました。歯科用CTは医療用のCTと比べコンパクトで場所を取らないため、大がかりな検査ではなく気軽に受けられるメリットがあります。
撮影時間が短く立ったり座ったりして撮影ができるので、検査自体に負担があまりかかりません。
肉眼や歯科用レントゲンでは見えづらい部分を、三次元画像によって立体的に把握でき、歯の病気の治療や歯列矯正などで正確な診断ができる検査です。
被ばく量が少なく解像度の高い撮影が可能な歯科用CTですが、保険適用できる場合と保険適用できない場合があるので注意しましょう。
参考文献
歯科用CTの開発の系譜と被曝線量の低減
コーンビームCTや顕微鏡による歯内治療|東京医科歯科大学 先端歯科診療センター
歯科放射線科|昭和大学歯科病院
治療費用|神奈川歯科大学附属病院
歯科用コーンビームCTと医科用CTとの違い -その2-
この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)
朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務
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配信: Medical DOC
