白内障の手術方法について
白内障の手術方法は、主に以下の3つです。
嚢内(のうない)摘出
嚢外(のうがい)摘出
超音波乳化吸引術
嚢内摘出は、水晶体全体を摘出する方法です。水晶体の支えが弱くなっている特殊な場合を除いて行われることはありません。
一方の嚢外摘出は白内障の原因部分だけを取り除く方法ですが、傷口が大きく時間がかかります。白内障が非常に進んでいるときに稀に行われます。
超音波乳化吸引術は白内障で濁った部分を超音波で吸引する方法で、現在の主流となっています。
上記の手術で終わりではありません。水晶体を取り除いたあとは、その部分に人工レンズを挿入する手術が必要です。
眼内レンズといっても眼鏡に使用されるようなものではなく、コンタクトレンズのような小さなものを使用します。
眼内レンズはさまざまなものが開発されており、患者さんの症状・年齢・状態・希望などに応じて使用されるのが一般的です。
なお、手術を行う前には球後麻酔・点眼麻酔などが行われます。どちらも痛みはなく麻酔は眼球のみに効果があるため、意識もある状態です。
白内障の予防法は?
白内障の主な原因は加齢によるもののため、完全な予防は難しいでしょう。しかし、罹患するタイミングを遅らせることは可能です。
主な予防法として以下の4つがあげられます。
紫外線から目元を守る
禁煙する
糖尿病の罹患に注意する
適度な運動を心掛ける
それぞれの予防法について解説するので、参考にしてください。
紫外線から目元を守る
日差しの強い真夏には紫外線予防として、日焼け止めクリームを塗ったり、日傘・帽子を使用したりします。
これは強い紫外線を浴びすぎると、人間の皮膚に悪影響を及ぼすからです。
そのような紫外線が影響を及ぼすのは皮膚だけではありません。実は目にも悪い影響をもたらします。
白内障の場合は、発症・進行が早まってしまうので注意が必要です。またほかの目の病気の原因にもなり、危険な存在といえます。
屋外での活動時間が長い場合は、紫外線を除去するサングラスなどを身につけるようにしましょう。
禁煙する
「百害あって一利なし」などといわれることの多いタバコですが、実は目の病気にも悪影響を及ぼします。
WHOは、喫煙者は非喫煙者に比べて加齢性黄斑変性症を発症するタイミングが最大5.5年早まると発表しました。
加齢性黄斑変性症とは、網膜が出血・むくみを発症して視力が低下する病気です。この病気に罹患すると、白内障の手術が受けられません。
複数の目の疾患に罹患している場合は、手術によって失明するリスクが高まるからです。
加齢性黄斑変性症は、それだけで失明する危険性を秘めた病気です。白内障の手術をすればそのリスクはより高まるため、手術を拒否されることがあります。
白内障は将来、誰もがかかる目の病気です。罹患した際に手術が受けられなければ、日常生活に支障をきたすかもしれません。
今後のことを考えて禁煙したほうが良いでしょう。
糖尿病の罹患に注意する
糖尿病に罹患すると、加齢の場合よりも早く白内障の症状があらわれます。
加齢による白内障の発症率は60歳代から多くなり、80歳代でほぼ100%です。しかし糖尿病に罹患すると、早ければ30歳で手術を余儀なくされる人もいます。
糖尿病は、目の病気の合併症も多い病気です。白内障に限らず、さまざまな病気を引き起こす原因にもなるので注意しましょう。
適度な運動を心がける
意外に思う人もいるかもしれませんが、適度な運動も白内障の予防に役立ちます。その理由は、糖尿病と関係しているからです。
糖尿病に罹患すると、白内障の発症時期が早まることは前述しました。その原因となる糖尿病の治療の一環として運動療法があります。
日常生活のなかで運動する機会を習慣づけることで血糖コントロールが改善され、糖尿病の治療に効果があるのです。
糖尿病の治療が進めば、合併症である白内障に罹患するリスクも軽減されます。本気で予防したいのなら、適度な運動を習慣づけましょう。
配信: Medical DOC