皮膚爬行症の前兆や初期症状について
皮膚爬行症の初期症状は感染する寄生虫によって異なります。
顎口虫によって発症する顎口虫症の初期症状は、寄生虫の移動によって生じる皮膚の腫脹が主です。腫脹は発赤・かゆみ・痛みを伴い、蛇行して出現する傾向があります。出現箇所は腹部や胸部などに多い傾向がありますが、寄生虫が移動すれば顔面や四肢にも症状が出るため注意が必要です。
加えて、寄生虫の周囲には好酸球(アレルギーや炎症に関与する白血球の一種)が増加します。好酸球の増加によってアレルギー反応がみられることもあります。
放尾線虫症の症状は皮膚の水疱が多く、腫脹はあまりありません。顎口虫ほど好酸球も増加せず、アレルギー反応も軽度で済むケースが多いです。
皮膚爬行症の検査・診断
皮膚爬行症の検査・診断で重要なのは、皮膚爬行症の原因となる魚介類の食歴を確認することです。上述した魚介類を食べたうえで皮膚爬行症を疑う所見がある場合、皮膚生検や組織学的検査をおこないます。皮膚生検や組織学的検査によって寄生虫の断端が発見されれば、皮膚爬行症と診断されます。
しかし、場合によっては寄生虫が体内に移行し、皮膚生検で寄生虫の断端を発見できないケースもあります。そのような場合には血液検査をおこない、寄生虫に対する抗体が確認されれば皮膚爬行症と診断されます。
配信: Medical DOC