河合優実が最優秀主演女優賞を受賞 / (C)日本アカデミー賞協会
映画「あんのこと」で主演を務めた河合優実が、「第48回日本アカデミー賞」で最優秀主演女優賞を受賞。3月14日に都内で行われた授賞式で
■佐藤二朗の手を握って「(体温を)もらった」
「優秀主演女優賞」は、河合の他、映画「ミッシング」の石原さとみ、映画「夜明けのすべて」の上白石萌音、映画「九十歳。何がめでたい」の草笛光子、映画「ラストマイル」の満島ひかりが受賞した。
実在する女性の身に起きた出来事から着想を得た「あんのこと」について、河合は「起きていることは、やっぱり自分たちと遠いし、過酷にとても見える」とした上で、「本当にあった人生に、監督を含めたスタッフの皆さんとか私たち役者が触れる時に、それぞれができる限り優しく丁寧に触れようとしているような現場で、この人の心のきれいさというか、きれいな魂に、みんなが吸い寄せられていったような感じがしていました」と撮影を述懐。
佐藤二朗との共演シーンでは、本番前に佐藤の手を握って感じた体温を芝居に反映させたそうで、佐藤が「後輩にそんなことまでさせたら、絶対にこのシーンは外せないなと思ってやったことを覚えています」と振り返る。
それを聞いた河合は「何が変わるかは分からないけど、触れておいたら何か起きるかもと思ったら止められなくなってしまって。すごく勝手ながらですけど、(体温を)もらいに行った」と打ち明け、「本当に感謝しています。ここだけじゃなくて、全編を通して。ありがとうございました」と感謝を伝えた。
優秀主演女優賞を受賞した石原さとみ、上白石萌音、河合優実、草笛光子、満島ひかり(右端は草笛をエスコートする内野聖陽) / (C)日本アカデミー賞協会
■「ずっと自分の心に残り続ける大切な作品に」
その後、最優秀主演女優賞の発表を受けた河合は、佐藤、入江悠監督とハグを交わして壇上へ。プレゼンターの安藤サクラからブロンズを受け取ると「ちょっと信じられない気持ちで、この会場にいること自体もすごく夢のような思いでいます」と心境を口に。
続いて「私は本当に未熟で新参者ですが、今日この会場に来て、敬愛する大先輩の方々に囲まれて、映画という世界に足を踏み入れて本当に良かったなと心の底から思っています」としみじみと語る。
「『あんのこと』という映画は、本当に言葉で言い表せないほど自分の中で特別な作品で、これからも長い間、俳優を続けていきたいと思っているんですけど、その中でもきっと、ずっと自分の心に残り続ける大切な作品になるだろうなと思っています」と心境吐露。
「『あんのこと』という映画に人生の時間を貸してくれた全ての人に、改めて感謝を伝えたいと思います」と頭を下げた。
◆取材・文=山田健史
安藤サクラ(右から2人目)に「褒められた」と涙を流しながら振り返った満島ひかり(同右端) / (C)日本アカデミー賞協会
配信: WEBザテレビジョン
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