ザイゴマインプラントとは?メリット・デメリットと治療の流れを併せて解説

ザイゴマインプラントとは?メリット・デメリットと治療の流れを併せて解説

ザイゴマインプラントのデメリット

ザイゴマインプラントのデメリットは、以下のとおりです。

対応している歯科医院が少ない

ザイゴマインプラントのデメリットのひとつは、対応できる歯科医院が限られているという点が挙げられます。ザイゴマインプラントは、治療に必要な高度な技術や専門的な知識、さらには専用の医療設備が必要となるため、全国的に見ても施術可能な歯科医院は少ないようです。

この治療法は頬骨にインプラントを埋め込むという特殊な手法を用いるため、従来のインプラント治療よりも難しい技術力が求められます。技術不足の状態で施術を行えば、インプラントの不具合や上顎洞炎、顔面瘻孔(がんめんろうこう)などのトラブルを引き起こすリスクがあるため、治療を受ける際は慎重な歯科医院選びが重要です。

治療費が高額になる

ザイゴマインプラントのデメリットのひとつは、治療費が高額になりやすい点が挙げられます。

前述したように、頬骨にインプラントを埋め込むためには専門的な技術と経験が必要であり、さらに専用の機器や設備を整える必要があるため、従来のインプラント治療よりも費用が高くなる傾向にあります。

そのため、治療を検討する際には、治療費の詳細や支払いプランについて事前にしっかり確認しておくことが大切です。

手術時間が長い

ザイゴマインプラントの手術時間は、従来のインプラント手術と比べて長めで、約120分程かかるようです。

これは、上顎の歯肉を切開して頬骨まで組織を剥離し、露出させた頬骨にインプラントを埋め込むという工程が必要となるためです。頬骨へのインプラント埋入は、目視で正確に行われるため慎重さが求められ、結果として手術時間が長引く傾向にあります。

さらに、頬骨は顎の骨よりも硬いため、インプラントの埋め込みに時間がかかります。そのため、手術中の負担を軽減するために静脈麻酔を使用し、患者さんがリラックスした状態で手術を受けられるように配慮されます。

ザイゴマインプラントのリスク

ザイゴマインプラントのリスクは、以下のとおりです。

上顎洞炎

ザイゴマインプラントにはさまざまな利点がありますが、デメリットのひとつとして上顎洞炎(じょうがくどうえん)のリスクが挙げられます。 上顎洞とは、上顎の奥歯の上に位置する空洞で、鼻や目、口に囲まれており、内部は粘膜で覆われています。この上顎洞に炎症が生じると、粘膜が腫れて膿がたまり、分泌物の排出が難しくなることがあります。 ザイゴマインプラントの手術では、頬骨に穴を開けてインプラントを挿入しますが、その際に上顎洞の粘膜が傷つくと、術後に炎症が起こる可能性があるのです。 上顎洞炎の主な症状は以下のとおりです。

歯や歯茎の痛み

鼻づまりや膿の排出(黄色っぽい鼻水)

頬に感じる圧迫感

頭痛や発熱

これらの炎症を放置すると、気管支炎や中耳炎、喘息などの呼吸器系疾患、さらには目や脳に悪影響を及ぼすリスクもあります。

手術後に違和感や痛みが続く場合は、速やかに歯科医師に相談し、適切な処置を受けることが大切です。

瘻孔(ろうこう)

ザイゴマインプラントのデメリットのひとつに、瘻孔が形成されるリスクが挙げられます。

瘻孔とは、炎症や感染などが原因で体内に異常な通路ができてしまう状態を指します。正常時はつながっていないはずの組織同士が、瘻孔によって不自然に接続されるため、さまざまな症状が引き起こされます。

ザイゴマインプラントでは、頬骨にインプラントを埋め込む際、その先端が目の近くや皮膚・粘膜の付近に位置することになります。このインプラントの先端部分がわずかに突出することがあり、患者さんが無意識のうちに触れてしまうことで瘻孔が形成されるリスクがあります。

瘻孔が形成された際に現れる症状は以下のとおりです。

腫れや炎症

見た目の変化(皮膚表面に異常が現れることも)

痛みや違和感

症状が現れた場合には、抗生剤を用いて炎症を抑えたり、必要に応じて外科的処置で瘻孔を塞ぐ治療が必要となります。