妊娠中でも性行為はOK。とはいえ、注意すべきことも
妊娠6カ月にもなると、お腹もポコっと出てくるので今まで通りとはいかないものの、いくつかの点に配慮すれば性行為をしても問題はないようです。
「一番気を付けてほしいのは、コンドームを装着するということです。『妊娠しているから避妊はしなくてもいいよね』と考えられる方も多いですが、それは間違いです。人間の皮膚には、常在菌と呼ばれる、普通は害のない菌が付着しているのですが、それが性行為によって膣に入り込んでしまうと、赤ちゃんが産道を通って出てくるときに息を吸うタイミングで肺に入ってしまうことがあります。非常に稀ではありますが、菌の種類によっては赤ちゃんが肺炎を起こしてしまうこともあるのです」(杉田先生、以下同)
誤った情報を鵜呑みにせず、担当医にも相談を
ほかにも、クラミジアなどの菌に感染してしまうと、流産や早産の原因にもなってしまうそう。また、コンドームの装着が必要な大きな理由のひとつに、精子に含まれる成分の作用があるようです。
「精子には“プロスタグランジン”という成分が含まれています。これは、陣痛を促進させる薬にも用いられており、子宮の収縮を引き起こすものです。そうするとお腹が張る原因にもなります」
なお、お腹を圧迫しないように体位には気を付けた方がいいとのこと。さらに、ネットや噂などの情報を鵜呑みにしないでほしいと杉田先生は言います。
「妊娠中の性行為について、ネットに書かれているもののなかには、誤った理解に基づいた情報も多いです。なかなか聞きにくいことかもしれませんが、正しいことを知るためにも、恥ずかしいと思わずに担当医に直接質問してみましょう」
性行為をするしないについては、お互いの気持ちが一致することが大切で、挿入以外にもパートナーに満足してもらう方法はあるはず。とはいえ、全くリスクがないとはいえないので、「しなければよかった」と後悔しないためにも、気を付けるべきことを忘れずに行いましょう。
(文・末吉陽子/やじろべえ)