「貧血性母斑」を発症した人に現れる特徴をご存じですか?【医師監修】

「貧血性母斑」を発症した人に現れる特徴をご存じですか?【医師監修】

貧血性母斑の前兆や初期症状について

貧血性母斑は先天的な疾患であり、特定の前兆や初期症状はありません。多くの場合は前胸部に出現しますが、日常的に詳しく観察しない部位で、かつ色調の差が目立ちにくいため気付かないこともしばしばあります。

通常、入浴後や運動後、飲酒後などの身体が温まったときや、皮膚のマッサージによる摩擦後などで、皮膚は赤くなりますが、貧血性母斑が起きている部分は皮膚の色に変化がなく、白く残ります。

しかし、何もしていない状態では皮膚の色調差はわずかであるため、注意して観察しない限り見過ごされやすい傾向があります。また、貧血性母斑自体は痛みやかゆみなどの症状もありません。

貧血性母斑の検査・診断

貧血性母斑の診断では、入浴後や運動後などの体温が上昇した状態における皮膚状態を判断材料とします。通常、このような状況では皮膚が赤くなるにもかかわらず、貧血性母斑の部位では皮膚は紅潮せず白く残るためです。

また、貧血性母斑の診断では似たような症状を呈する他の皮膚疾患と鑑別するために、ウッド灯検査やダーモスコピーなどの検査をおこなうこともあります。鑑別が難しい場合は、貧血性母斑の皮膚を採取して皮膚生検を実施することもあります。

他にも、貧血性母斑が身体の各部位で多発している場合は神経線維腫症1型などの可能性も考慮し、必要に応じてCT検査やMRI検査などの画像検査をおこなうことがあります。

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