「肘関節脱臼」になるとどのような症状が出るかご存じですか?【医師監修】

「肘関節脱臼」になるとどのような症状が出るかご存じですか?【医師監修】

肘関節脱臼の治療

肘関節脱臼の治療には以下のような方法があります。

整復

脱臼した骨を正しい位置に戻します。通常は麻酔や鎮痛剤を使用して患者さんの痛みを最小限に抑えながら行われます。

固定

整復後、ギプスやシーネ(副子)で関節を固定し、治癒を促進します。通常、3週間程度の固定が行われます。

リハビリテーション

おもに固定を解除した後、筋力を回復し可動域を広げることを目的とし、段階的にリハビリテーションを行います。

手術

骨折や靭帯損傷を伴う場合、または整復や固定だけでは関節の安定性が十分に回復しない場合に行われることがあります。手術の種類には、以下のようなものがあります。

靭帯修復術

切れた靭帯を縫合し、関節の安定性を取り戻します。

骨接合術

骨折を伴う場合はプレートやスクリューを使用して骨を固定します。

神経解放術

神経が圧迫されている場合に神経を解放し、感覚や運動機能の回復を図ります。

手術後はリハビリテーションを行い、徐々に負荷をかけながら機能を回復させることが重要です。

肘関節脱臼になりやすい人・予防の方法

なりやすい人
接触スポーツを頻繁に行う人

ラグビー、バスケットボール、体操などのスポーツでは衝突や転倒が多く、脱臼のリスクが高まります。

関節の柔軟性が極端に高い人(過可動性症候群)

関節が通常以上に動きやすいため、靭帯の損傷や脱臼のリスクが増加します。

過去に肘関節脱臼を経験した人

靭帯が弱くなり、再発のリスクが高まります。

予防方法
筋力トレーニング

肘周囲の筋肉を強化することで関節を保護します。特に上腕二頭筋や上腕三頭筋を重点的に鍛えると効果的です。スポーツ選手の場合、専用の筋力トレーニングプログラムを取り入れると良いでしょう。

柔軟性向上

関節の柔軟性を高めるためのストレッチを日常的に行うことが効果的です。特に運動前には動的ストレッチを行い、関節周囲の温度を上げることが効果的です。

保護具の着用

スポーツ時にエルボーパッドを装着することで衝撃から肘を守ります。

転倒防止策

家庭内で滑り止めマットを使用したり、手すりを設置することで高齢者の転倒を防ぎます。また、転倒リスクが高い人は歩行補助具の使用も検討すべきです。

関連する病気

外傷性肘関節脱臼

肘関節不安定症

尺骨神経損傷

関節リウマチ

変形性肘関節症

参考文献

「肘内障」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる

肘内障 | 日本臨床整形外科学会

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