過強陣痛の前兆や初期症状について
過強陣痛の初期症状は、陣痛の間隔や強さの変化として現れます。日本産科婦人科学会の基準では、子宮口の開き具合に応じて正常な陣痛の間隔は2分から3分とされていますが、過強陣痛では1分30秒以内、さらに進行すると1分以内と異常に短くなります。また一回の陣痛の持続時間も、通常60〜70秒程度のところ、2分以上と長く続くことがあります。お母さんは、通常の陣痛以上の強い痛みを感じ、陣痛と陣痛の間の休息時間が十分に取れないと感じることが特徴的です。
また、体型の痩せた方では、お腹に帯状のくびれ(収縮輪と呼びます)が見えることがあります。これは子宮の上部と下部の境目に現れ、子宮が過度に収縮している状態を示す重要なサインとなります。30分程度の観察で平均して10分間に5回を超える収縮(頻収縮)が見られることも、過強陣痛を疑う重要な所見です。
過強陣痛の検査・診断
過強陣痛の診断は、分娩監視装置(CTG)による客観的な評価と、医療者による診察の両方から総合的に行われます。分娩監視装置では、子宮の収縮の頻度や強さ、そして同時に赤ちゃんの心拍数の変化を連続的に記録します。特に30分以上の観察で、10分間に平均して5回を超える子宮収縮(頻収縮)が認められるかどうかを重要な判断基準としています。
医師や助産師は、分娩監視装置の記録に加えて、実際にお腹を触診して子宮の収縮状態を確認します。また、赤ちゃんの心拍数の変化も重要な診断要素となります。特に子宮収縮に伴って赤ちゃんの心拍数が低下する(一過性徐脈)場合や、その持続時間が長くなる(遷延一過性徐脈)場合は、赤ちゃんへの影響を示す重要な所見として慎重に観察します。このように、母体の状態と赤ちゃんの状態の両方を総合的に評価することで、過強陣痛の診断を行います。
配信: Medical DOC