Medical DOC監修医が爪と皮膚の間が痛い時の対処法などを解説します。
≫「ひょう疽(爪周囲炎)」の症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?
※この記事はMedical DOCにて『「爪と皮膚の間が痛い」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
「爪と皮膚の間が痛い」ときの正しい対処法・予防法は?
爪の間が痛い場合の市販薬と注意点
爪と皮膚の間が痛い際に、特に「ひょうそ」が想定されて軽度の発赤(赤み)所見や炎症を認める場合は、抗菌剤内服、鎮痛剤服用、患部を清潔に保持して日々消毒を励行する、抗菌薬を含有した市販の塗り薬を患部に外用して治療を行います。
その際に、患部の症状を緩和させる市販塗り薬の代表例には、ゲンタシン軟膏®やロコイド軟膏®などが挙げられます。
患部において発赤所見や炎症を軽度のみ認める場合には、外用薬などを塗ってもいいでしょう。
ところが、赤みが強く排膿状態であり炎症を高度に認める場合、患部に細菌を密封させて閉じ込める事を避けて、切開排膿してドレナージする必要があるので、基本的には市販外用薬を塗ってはいけません。
爪の間が痛い場合の対処法・ケア
患部を温めると血流が良くなって痛みが強くなり腫れがひどくなることが考えられるため、原則として患部を冷やしてクーリングすると炎症所見が改善することが期待されます。
排膿所見を認める際には、きれいに患部を保持する為に絆創膏を貼って保護することも重要なポイントです。
巻き爪の際には、綿を爪と皮膚の間に詰める方法や患部をテーピングする、あるいは爪先端部に矯正装具を装着する治療方法が検討されます。
爪トラブルを防ぐための注意点
ジェルネイルを付ける際や外す時には爪の表面に少なからず負担が掛かり、ネイルを装着する技術不足などで、過度に爪を削りすぎて爪が薄くなり爪と皮膚の間が痛くなることがありますので注意しましょう。
ハイヒールや先端の細いパンプスは、靴の中で足が前に滑るので爪は圧迫されますし、紐をゆるめた大きい靴を履くと、歩行時に足が靴の中で前後に動くために爪は圧迫され、タイトすぎる靴下やストッキングを履くと巻き爪が痛くなることがあるので注意しましょう。
日常生活や生活習慣において、体重が増えすぎると足指への圧力が相対的に増加して爪が皮膚に食い込みやすくなりますので気を付けましょう。
痛みを有する爪のトラブルには、必ず原因がありますので、早く治したいときはセルフケアを実践して、万が一応急処置をしても痛みや症状が収まらない場合には、皮膚科や形成外科を受診しましょう。
「爪と皮膚の間が痛い」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「爪と皮膚の間が痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
爪の周りが腫れて指の隙間が痛いです。何科の病院で治療できますか?
甲斐沼 孟(医師)
爪と皮膚の間や指の隙間が痛く、爪の周りが赤く腫れる症状で考えられる原因としては、「ひょうそ」が考えられますので、できるだけ速やかに皮膚科や形成外科などの医療機関を受診して治療しましょう。
爪が剥がれて皮膚との間が痛いです。どう対処したら良いでしょうか?
甲斐沼 孟(医師)
皮膚と爪の間が痛く、爪が剥がれている症状で考えられる原因としては、「爪甲剥離症」が考えられます。応急処置として、患部を消毒して絆創膏やガーゼで固定し形成外科などの病院をすぐ受診してください。効果的な治療は、直接的な原因を改善することが重要であり、状況に応じて、抗生物質や抗真菌薬、ステロイドなどの薬物治療も考慮されます。
足の親指が痛く、爪の一部が食い込んでいます。巻き爪でしょうか?
甲斐沼 孟(医師)
足の親指が痛く、爪の一部が食い込む際には、陥入爪の可能性があります。陥入爪は巻き爪と混同される場合がありますが、特に足の親指に発症して爪の角がトゲのようになって皮膚に食い込んで炎症が起こります。放置すると症状が悪化するため、早めに専門医の診断を受けましょう。
ささくれが悪化して爪の間が赤くて痛いです。放置して大丈夫ですか?
甲斐沼 孟(医師)
症状が気になる場合は、爪を保護してすみやかに皮膚科や形成外科を受診しましょう。
空気が乾燥すると皮膚の水分や油分が失われて、手指の皮膚が乾燥してささくれができやすくなります。ささくれはむやみに指で抜いたり切ったりして放置すると、健康な皮膚まで裂けて傷が広がって症状が悪化する恐れがありますので注意しましょう。
配信: Medical DOC