夫の趣味のコレクション。喧嘩せずに少しだけ処分してもらうには?
「『増えすぎた夫のコレクションをどうやって処分してもらえばいいのかわからない』というお悩みをお持ちの奥さまは実はとても多いです。夫の持ち物を処分してほしいとき、一番やってはいけないことは、『妻の判断で勝手に捨ててしまうこと』。下手に強行突破してしまうと、その先ずっと遺恨を残しかねません。収納ケースなどにしまいっぱなしでただキープしているだけの状態が続いている場合、いきなり処分しようと意気込むのではなく、まずは夫の趣味に理解の姿勢を示しながら『あなたのコレクションを一度全部見てみたい』と持ちかけてみることが片付けの第一歩です」(中山さん、以下同)
片付けの基本は、“片付けたい場所から一旦全てを出す”ことだと中山さん。奥底にしまい込まれたコレクションを全て出して見える状態にすることで、夫も自分の持ち物を改めて把握することができ、不要なものを発見しやすくなるのだそう。
「できるだけ全てを見える場所に出したうえで、お互いが快適に過ごすためにも、少しだけ整理してほしいという気持ちを伝えましょう。その際に “好きな順”や“使用頻度”をさりげなく尋ねてみるのがポイントです。そうすることで、何が本当に必要で、手放してもいいものはどれなのか、夫自身も見えてくるはずです」
夫に持ち物を処分してほしいときの伝え方は?
「ものを捨てることができるかどうかは心の持ちよう次第。お願いするときにはネガティブワードを避け、最終的な目標が捨てることであっても「捨てて」や「処分して」は言わないでおきましょう。「片付け」には「片をつける(=終わらす、ケリをつける)」という意味がある通り、言われた側の心情としてはあまりおもしろくありません。コレクションをより快適に保存するための整理だと思えば、少しくらい処分する気持ちも起きるものです」
夫に片付けをしてもらうためには、さりげなく誘導してあげるのがポイント。具体的には…。
<NGワード>
・「早く片付けて」
・「いらないものは処分して」
・「これ、邪魔なんだよね」
<OKワード>
・「この辺りをちょっと整えたいね」
・「もう少し取り出しやすいように(使いやすいように)してみない?」
・「きれいに整理したらもっと良くなるね」
溜め込みはコレクションに限らない。思い出の品が捨てられない夫も
特に何かをコレクションしているわけじゃないのに、やたらと持ち物の多い人もいますよね。そんな夫にはどうやって処分してほしいことを伝えればいいでしょうか?
「これまで数多くの片付け相談を受けてきましたが、持ち物の多い男性の特徴のひとつとして、“過去に縛られている”ことがあげられます。たとえば過去の栄光を思い出させる青春時代の部活用品や、既に終わって見返すこともない仕事の資料など、なんらかの“思い入れのある品”が捨てられないでいるのです。ここでもやはり、持ち物を一旦全部出してもらって、見える状態にすることから始めます。そして、思い入れのある品については、とことん思い出を語ってもらいましょう。持ち物は心と直結しているもの。妻に語って思い出を浄化させる作業をすると、意外にあっさり手放せるようになりますよ」
本音は「今すぐに捨ててほしい」と思っていたとしても、まずは相手に歩み寄ったうえで、少しずつ時間をかけてものを減らしていくことが大切なのですね。
(文・宇都宮薫)