反抗期って、子どもの成長にとって重要なの? 日本心理コンサルティング代表の櫻井勝彦先生に聞いた。
「反抗期がないまま大人になる子どもは、ニートになりやすい傾向があります。成長とともに『誰が何と言おうと、自分はこうやりたい!』というものが育つのが自立であって、親のいうことを聞くいい子でい続けると、自我が芽生えないんです」(櫻井先生 以下同)
親の敷いたレールにそのままのっていくのは、子ども自身にやりたいことが何もないから。でも、それは自分が選んだ道ではないため、何かつまずきがあると、すぐ逃げたり、親のせいにしたりという傾向があるという。
また、櫻井先生によると、もうひとつニートになりやすいのが、世間ではずっといい子でい続け、家庭内でだけ強くなる「内弁慶」タイプだとか。
「子どもが内弁慶になる家庭は、お母さんが子どもに対してイエスマンであるケースが多いです。何をしても子どもを立ててしまう。それを子どもは見抜き、愛されている安心感から、外でいい子を演じるストレスを家で爆発させるのでしょう」(櫻井先生 以下同)
子どもが反抗期になったら、どんな向き合い方をすれば良いのか。櫻井先生は「それを歓迎しましょう!」とアドバイスする。
「親の敷いたレールから外れて、子どもが『うるせえ!』とでも言おうものなら、『ああ、成長したんだな』と思いましょう」
例えば、母親の作った食事に対して「こんなもん食べたくない!」と言うと、「じゃあ、これを食べて」とほかのものを出すのは厳禁だそう。
「『文句を言えば環境が変わる』と思わせてしまうのはダメ。『だったら、自分で作って』というスタンスでいきましょう」
また、「勉強しなさい」などと口で言うのではなく、子どもに対して「背中で見せる」ことも必要だ。
「働くことの楽しさを、親が伝えていくことも大切です。仕事について『大変』『辛い』ばかり言っていると、子どもにも嫌なイメージがついてしまいます。そして、暴れればお金がもらえると思うと、あえて働かなくなってしまうんです」
親がすべきことは、子どもが自分でやりたいことを見つける手伝いをすること。何をやりたいと言っても、否定せずに応援する。ただし、「自分で生きていく」ことも同時に考えさせるのが重要なのだ。
(田幸和歌子+ノオト)