いい子すぎは危険!? 反抗期の対処法

いい子すぎは危険!? 反抗期の対処法

第2回 わが子をニートにしない育て方
小学校高学年くらいになると訪れる反抗期。子どもと揉めるのは体力・気力ともに消耗するけど、その一方で、「反抗期がないまま大人になるのは、かえって危険」なんて話も聞く。

反抗期って、子どもの成長にとって重要なの? 日本心理コンサルティング代表の櫻井勝彦先生に聞いた。

「反抗期がないまま大人になる子どもは、ニートになりやすい傾向があります。成長とともに『誰が何と言おうと、自分はこうやりたい!』というものが育つのが自立であって、親のいうことを聞くいい子でい続けると、自我が芽生えないんです」(櫻井先生 以下同)

親の敷いたレールにそのままのっていくのは、子ども自身にやりたいことが何もないから。でも、それは自分が選んだ道ではないため、何かつまずきがあると、すぐ逃げたり、親のせいにしたりという傾向があるという。

いい子すぎは危険!? 反抗期の対処法

また、櫻井先生によると、もうひとつニートになりやすいのが、世間ではずっといい子でい続け、家庭内でだけ強くなる「内弁慶」タイプだとか。

「子どもが内弁慶になる家庭は、お母さんが子どもに対してイエスマンであるケースが多いです。何をしても子どもを立ててしまう。それを子どもは見抜き、愛されている安心感から、外でいい子を演じるストレスを家で爆発させるのでしょう」(櫻井先生 以下同)

子どもが反抗期になったら、どんな向き合い方をすれば良いのか。櫻井先生は「それを歓迎しましょう!」とアドバイスする。

「親の敷いたレールから外れて、子どもが『うるせえ!』とでも言おうものなら、『ああ、成長したんだな』と思いましょう」

例えば、母親の作った食事に対して「こんなもん食べたくない!」と言うと、「じゃあ、これを食べて」とほかのものを出すのは厳禁だそう。

「『文句を言えば環境が変わる』と思わせてしまうのはダメ。『だったら、自分で作って』というスタンスでいきましょう」

また、「勉強しなさい」などと口で言うのではなく、子どもに対して「背中で見せる」ことも必要だ。

「働くことの楽しさを、親が伝えていくことも大切です。仕事について『大変』『辛い』ばかり言っていると、子どもにも嫌なイメージがついてしまいます。そして、暴れればお金がもらえると思うと、あえて働かなくなってしまうんです」

親がすべきことは、子どもが自分でやりたいことを見つける手伝いをすること。何をやりたいと言っても、否定せずに応援する。ただし、「自分で生きていく」ことも同時に考えさせるのが重要なのだ。
(田幸和歌子+ノオト)

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お話をお聞きした人

櫻井勝彦
櫻井勝彦
日本心理教育コンサルティング
文学修士(社会心理学)、日本心理学会認定心理士、中央労働災害防止協会認定心理相談員。全国の学校・企業・自治体で心理学を活用した講義や研修、カウンセリングを行う。
文学修士(社会心理学)、日本心理学会認定心理士、中央労働災害防止協会認定心理相談員。全国の学校・企業・自治体で心理学を活用した講義や研修、カウンセリングを行う。