不倫が発覚! 正しい離婚の進め方は?

不倫が発覚! 正しい離婚の進め方は?

第3回 相手が不倫しているかも? と思った時の処方箋
幸せな家庭を築きたいと願うものの、離婚に至る夫婦は少なくない。数ある原因のなかでも、「不倫」は第三者も含めていろいろ揉めそうだが…。

もしパートナーが不倫しているなら、絶対離婚! と考える人はどんなステップを踏めばいいのだろうか。やっぱり、まずは写真などで確実な証拠を押さえるのが必須?

「不倫は証拠がないと離婚できないと考えている方が多いようですが、そうとは限りません。確かに、裁判で相手が不倫を否認し続けた場合は『不倫相手との肉体関係を表す証拠』が必要となり、写真やメールなどを収集しなくてはなりません。しかし、相手が不倫の事実を認めた場合、証拠は必要ないとされています。不倫をしている側にとっては、できれば裁判を起こされたくないもの。不倫された側が裁判で勝てる証拠がなくても、弁護士を通じて相手に不倫の事実を認めさせ、責任を取るよう交渉した場合、慰謝料請求に応じてもらえるケースもあります」

そう教えてくれたのは、離婚問題に詳しい篠田恵里香弁護士。ちなみに、証拠資料を集めるのに探偵事務所に依頼するというケースもあるが、そもそもそれが必要かどうかの相談も、法律事務所で引き受けてくれるそう。

では、もし慰謝料を請求する場合、請求先は配偶者と不倫相手のどちらになるのでしょう?

不倫が発覚! 正しい離婚の進め方は?

「不倫をされた側の心情としては、不倫相手に請求したい気持ちが大きいでしょう。ただし、大切なのは実際に回収できるかどうか。例えば、夫の不倫相手が無職で貯金もなければ、請求しても実効性がありません。そのような場合は、夫だけに請求するという選択肢も十分あり得ます。二人とも資金力がある場合は、両方から慰謝料を支払ってもらうのがもっとも得策。慰謝料の支払いは多額の場合、分割払いが一般的ですが、支払いが滞る可能性がある場合は公正証書を作成し、財産を差し押さえることも。退職金から受け取ることもできますよ」(篠田さん 以下同)

とはいえ、話し合いを続けていくうちに配偶者に対して情が戻り、離婚は避けたいと感じる人も少なくないそう。でも、不倫相手とは二度と会ってもらいたくない…。

「そういう場合は、不倫相手に対し『もう夫と連絡しない、会わない』といった内容を合意書や公正証書で約束させましょう。違反した場合、不倫相手に違約金を請求することができます。ただし、あまりに法外な額の場合は無効となってしまいますが…」

離婚をするにしてもしないにしても、「不倫相手や配偶者に対し、感情的になりすぎないことが大切」と篠田さんはいいます。なかなか難しいものの、もし相談する場合は冷静に毅然とした態度を心がけたほうがよいのかもしれませんね。
(波多野友子+ノオト)

お話をお聞きした人

篠田恵里香
篠田恵里香
男女トラブル、交通事故問題などを得意分野とし多く扱う。離婚等に関し、豊富な知識を持つことを証明する「夫婦カウンセラー(JADP認定)」の資格も保有している。
男女トラブル、交通事故問題などを得意分野とし多く扱う。離婚等に関し、豊富な知識を持つことを証明する「夫婦カウンセラー(JADP認定)」の資格も保有している。